見出し画像

『ドッジ弾平』以前のドッジボール漫画

前置き

『ドッジ弾平』の連載が始まったとき、「日本初のドッジまんが!」というアオリが付いていました。

『コロコロコミック』1989年11月号

これはたぶん「全米が泣いた」程度のノリで、マジレスすると『弾平』は「日本初のドッジまんが」ではありません。

コロコロでは、『弾平』の8年前に別冊で『ドッジ球太』を始めたときにも「日本初!! 本格ドッジボールまんが!!」と言っていました。

『別冊コロコロコミック』第1号(1981年)

コロコロ以外では、1985年~1987年に学研の『4年の学習』などで連載した『がんばれ!! ドッジーズ』『シュートだ! アタックス』があります。

『4年の学習』1985年12月号、『3年の学習』1986年3月号

それから、1987年には『コミックバーガー』で『爆裂ドッチャー・銀』も連載しました。

『コミックバーガー』1987年7号

(『銀』については、先月の記事で詳しく紹介しました)

以上を雑に整理すると、こんな感じです。

1981年『ドッジ球太』
1985年『がんばれ!! ドッジーズ』(日本ドッジボール連盟
1986年『シュートだ! アタックス』
1987年『爆裂ドッチャー・銀』(東日本ドッチ連盟、西日本ドッチ連合
1989年『ドッジ弾平』(日本スーパードッジ連盟
1990年『爆風ドッジ』(日本ドッジボール協会

『ドッジ球太』が「日本初の本格ドッジボールまんが」なのかは、ちょっと分からなくてごめんなさい。
(見落としている作品がありそうで、申し訳ありません)

とにかく、今日は『ドッジ球太』『がんばれ!! ドッジーズ』『シュートだ! アタックス』の紹介をしてみようと思います。

 

補足:『ドッジーズ』『アタックス』の掲載号について

『ドッジーズ』『アタックス』の掲載号については、Wikipediaに載っている情報に変なところがあるので、一応その点に触れておきます。

実本を確認したところでは、こんな風に連載されているのですが……。

『がんばれ!! ドッジーズ』
4年の学習 1985年12月号~1986年3月号(第1回~第4回)
5年の学習 1986年4月号(第5回)※最終回

『シュートだ! アタックス』
3年の学習 1986年3月号(第1回)
4年の学習 1986年4月号~1987年3月号(第2回~第12回)※9月号は休載

現在のWikipediaを見ると、微妙にズレた記載になっていました。

Wikipedia:かたおか徹治

たとえば、「4年の学習 1984年12月号」を見ると、連載漫画は『とんでも先生』『チックンタックン』『愛ラブ アッちゃん』で、『がんばれ!ドッジーズ』は載っていません。

また、この記述だと、『4年の学習』1985年4月号から『ドッジーズ』と『アタックス』が同時に連載していることになります。

と、この辺の情報で混乱するかも知れない気がしたので、一応、無料部分で触れておこうと思いました。

 

『ドッジ球太』

『ドッジ球太』は、1981年に『別冊コロコロコミック』の創刊1号~4号に連載した漫画です。

隔月誌で全4回の連載。この記事では便宜上、創刊1号~4号を「1981年5月号・7月号・9月号・11月号」と呼びます。

こういうジャンプサイズの雑誌でした

『ドッジ球太』の作者は、のむらしんぼ先生。

『別冊コロコロコミック』1981年11月号

のむら先生は当時、コロコロ本誌で『とどろけ!一番』という人気漫画も連載中でした。

『コロコロコミック』1981年11月号

『とどろけ! 一番』は、テストに命をかける少年の物語。
上のシーンは、手術よりも模試を優先して死にかけているところです。

そんな感じでコロコロ誌上では、『釣りバカ大将』や『ゲームセンターあらし』など、テスト・釣り・ゲームに狂っている少年たちが大活躍。

「その系統のコロコロ漫画のドッジボール版」として登場して、あまり人気が出なくて4回で終わったのが『ドッジ球太』でした。

 

球太登場

『ドッジ球太』の第1話は、「ドッジボール部のやつら」が女の子をかわいがっている場面からスタート。

『別冊コロコロコミック』1981年5月号

それを球太が助けるという感じです。

(なんとなくエロい格好のヒロイン)

球太「かわい子ちゃんにこんなボールぶつけちゃだめだよ!!」
ドッジ部「こやつ……。ドッジボール部キャプテン、松平星一郎の球をまともに受けるとは!」

という感じで、ドッジボール部のキャプテンに勝負を挑まれて、球太が勝つまでが第1話でした。

 

ドッジvsサッカー

第2話では、いきなりサッカーとの異種スポーツ戦になります。

『別冊コロコロコミック』1981年7月号

ここから先は

5,483字 / 44画像
この記事のみ ¥ 150

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?