夜神月みたいな人が、催眠術で新世界の神を目指す漫画『ロストブレイン』の思い出
大変申し訳ございません。
今月、更新ペースを保てなかったため、過去に雑誌に書いた記事の再掲載をさせていただきます。
以下は、2008年1月の『ネットランナー』に書いた文章の再掲載となります。
(この文章、書き出しが「ハンカチ王子」の話題なのが時代ですね)
前置き
ハンカチ王子に続いてスク水王子や流し目王子やポッチャリ王子が現れたように、何かがヒットしたら、とりあえず便乗するのが人間の習性です。
漫画業界でも、『ライフ』がドラマ化された後、『少女コミック』が『ラブナイフ』という漫画を連載。
主人公は、机に「二股女」と書かれたり、倉庫に閉じ込められたりとイジめられます。
『ライフ』では頭上から机が降ってきたところ、『ラブナイフ』では頭上から割れた窓ガラスが降ってくるのでした。
しかし、最後は主人公が学校の屋上から突き落とされたところ、イケメンが助けてくれて無傷。
『少女コミック』らしく、あらゆる問題はイケメン男のイケメンパワーで解決されました。
また、『少コミ』といえば、『僕は妹に恋をする』がヒットした後、別の漫画家が似たような兄妹近親モノを始めました。
しかし、普通にやるとパクリっぽく見えるという判断なのか、兄に女装癖という新要素を追加。
『僕は妹に恋をするから女装する』みたいな設定の漫画が爆誕しました。
『ロストブレイン』のインパクト
そんな感じで、普通は便乗しても「共通点がいくつかある」という程度で、問題にはなりません。
しかし、先日『週刊少年サンデー』で始まった『デスノート』の便乗漫画は、ちょっとハジケすぎてしまって、各所で話題になっています。
タイトルは『ロストブレイン』。
まず、主人公のツラから『デスノート』と似ています。
『デスノート』は、「毎日同じ事の繰り返し…つまらねー この世は腐ってる」という台詞でスタートします。
一方、『ロストブレイン』の第一声は、「つまらないテスト、つまらない学校、つまらない人間!! つまらない! すべてが!」。
通常、漫画の便乗には、絵柄便乗と内容便乗の2つの方法がありますが、今回は同じようなツラのキャラと同じような台詞という男気あふれる選択の結果、冒頭の3ページだけで致命的に印象が悪かったです。
この辺、本当にどういうつもりだったのでしょうね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?