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マガジンとジャンプの表紙の違いは、雑誌の成り立ちが原因なのか

この記事は3月18日に更新しました。マガジンとしては「1月分の記事」のところ、更新が遅れてしまっており、大変申し訳ございません。

今日の話題

先日、こんなポストがTLに流れてきました。

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確かに『マガジン』の創刊号は、小説などの読み物も多く載っていて、漫画の比率は4割以下でした。

一方、その10年ほど後に創刊した『ジャンプ』は、「ぜんぶ漫画」を謳っていました。

『少年ブック』1968年8月号

そこまでは事実です。

しかし、「実写女の表紙」が『マガジン』に多くて『ジャンプ』にないことについて、50~60年代の「成り立ちの違い」が原因だと説明するのは、釈然としません。

  • 『マガジン』の「実写女の表紙」は、おおむね1970年代からのもの

  • ジャンプに近い成り立ちの『チャンピオン』も「実写女の表紙」になっている

  • ジャンプより後発の漫画専門誌で、あとから「実写女の表紙」に転向した例は多い

といった理由で、『マガジン』の表紙を「昔の名残り」と説明することに違和感があるからです。

そういうことを、以下に書いてみます。


 

前置き

マガジン編集者の著書

90年代に『少年マガジン』のアイドルグラビア担当だった編集者が、大麻で捕まったことがありました。

彼は、アイドルが部数をアップさせるという認識を語っていました。

「アイドルが載ることで、マガジンの売上が伸びて会社に利益をもたらす。1人の女の子の魅力が実売部数を、ときには2%もアップさせる

久保 象『大麻所持逮捕の全記録』

 

現状

実際、成り立ちに関わらず、漫画専門なのにグラビアを表紙にしている雑誌は多いです。

部数多めの男性漫画誌だと、こんな感じ?

・よくする→『週刊少年マガジン』『週刊少年サンデー』『ヤングマガジン』『ヤングジャンプ』
あまりしない→『週刊少年ジャンプ』『コロコロコミック』『ビッグコミックオリジナル』

『ビッグコミック』は似顔絵、『ビッグコミックオリジナル』は動物で長年やっています。

『マガジンデータ2006』

現状、『モーニング』や『漫画ゴラク』も表紙が実写女性ではなくて、おっさん雑誌=グラビアとも言いづらく……。

傾向としては、やはりヤング誌にグラビアが多いです。

最新号

少年向けでも、グラビアは多くはないのですが……。
ジャンプ以外の週刊3誌(マガジン・サンデー・チャンピオン)がグラビア派なので、そのイメージが強いです。

※「グラビア」は元々印刷法のことですが、雑なニュアンスで使っていきます。

 

チャンピオンの場合

近年の傾向としては、こんな感じ?

・サンデー:表紙に水着が少なく、上品なイメージ。
・マガジン:水着グラビアの表紙が、年に6~11回程度。
・チャンピオン:水着グラビアの表紙が、年に22~24回程度。

同じアイドルで比較してみると、こんなイメージです。

『チャンピオン』は、「成り立ち」を言うなら『ジャンプ』に近い雑誌なのですが、『マガジン』『サンデー』以上にグラビアに染まっています。

※参考までに、ヤング誌や写真週刊誌だと、こんな感じ。

これだけ見たら、日本が常夏の国だと勘違いされそうです。

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