燃料切り替えスイッチ作動不良、70型ランクル
日本では、自ら車の修理をする方は非常に少ないですが。
ケニアで車を長く乗り続けるコツは、自分で修理する事です、ハイ!
こちらケニアでは、人に修理してもらうと余計に壊されたり。
壊れてもいないオリジナルな部品を、二流品に交換させられたりと、悪徳なメカニックもまだ見受けられます。
そんな苦い思いを経験して、結局自分で修理しなくては、と自ら修理するようになったしだいです。修理代金払うぐらいだったら、自分で工具買えるじゃん!って、
自ら修理を重ねるほどに、愛着が沸くし、
外出先で何かあってもたいていの場合修理することが出来るので、安心です。
今回は、燃料タンクの切り替えスイッチが作動しなくなった愛車の、修理ルーティーンを軽くおさらいします。つい昨日の事です。
愛車のランクルには燃料タンクが2個ついている。
それぞれに容量は90リットル。
合計180リットルだ。
普段乗りでは、そこまでは必要ないが。
ケニアでも北部に行くと、スタンドがほとんど無い場所、あっても割高だったり、燃料のその質はたいて良くない。
聞いた話だと、ケニア、エチオピアとの国境近くではインジェクターポンプがすぐに傷むそうだ。
半年に一度、ローターを交換する事もざらにある話。
愛車のインジェクターポンプローターを交換したときにそのことを聞いた。
そんなマニアックな修理動画も上げている.
そんな奥地にまで質のいい燃料をたっぷりと積めば、リッター8キロで計算すると、1440キロ程度走れる事になる。
600-700キロ燃料が手に入らない奥地まで往復出来てしまう。
そんな過酷な場所でも安心して行く事ができる車が、ランクル70型だ。
日本では全く必要の無い性能だな。
最近、そんな愛車ランクル75の燃料切り替えスイッチが作動しなくなっているのに気がついた。
ランクル75型燃料切り替えスイッチ、作動復活への道
ということで原因を探るための旅が始まった。
何か調子が悪くなると、わくわくする筆者。
それは、その原因を特定して、直していくプロセスが楽しいからなのだな。
こんな感じで直し続けているので、生産から33年経つが、車は非常に調子がいい。
大抵の事は自分であまりお金をかけなくとも直せてしまう、単純明快なシステムの70型ランクルは。磨けば磨くほど輝く車。そしてなんといっても自分で磨ける車なのだ。
燃料切り替えスイッチが作動していない事に、気がついた原因は燃料切れ
燃料切れは、幸い家の敷地に入って事は起こったので大事にはいたらず。
燃料切り替えスイッチはサブタンク(後部タンク)にセットされていた。
サブタンクにはまだ十分な燃料が入っている。
考えられるのは間違いなく、燃料切り替えスイッチが作動していないという事。
ランクル75の燃料切り替えは、燃料流路にある2個のソレノイドスイッチによって行われる。
燃料切り替えスイッチソレノイドは、燃料タンクからエンジンに行くルート用と、エンジンで使われなかった燃料が燃料タンクに再び戻るルート用の2個付いている。
以前にも作動不良を起こしたことがあったが、その時はダッシュボードのコントロール側の接点不良が原因だった。
今回はダッシュボードのスイッチで無く、別に原因がある。
2個あるソレノイドスイッチ2個両方とも作動していない。
2個同時に、ソレノイドが壊れることは考えにくいので、電気系統なのだろう。
テスターを使って、スイッチに連動して電気が来ているかを確認すると、電気はちゃんと来ている。
電気が来ているのに、作動しない事は旧車では良くある事!?
以前にも経験ありで、ヘッドライトが付かなくなった事があった。
この原因特定はなかなか大変、何せテスターを使えばちゃんと電気は来ているのだ。
断線していないという事。
この場合、トラブルシュートは結構厄介だ。
30年も経過すると、ケーブルの劣化で電流が流れにくくなるようだ。
弾力のあったケーブルの皮膜もカチカチ、内部の銅線も黒く変色。
その時はケーブルを新しいものと交換、ヘッドライトはしっかりと作動するようになった。
スターターモーターもまっ黒くなって、力が出なくなった事もあったりした。
燃料タンク切り替えスイッチ、修理ルーティーン
ここからが修理のおさらい。
電気系統の不具合、原因を探しだすのが最も時間がかかる作業。
今回行った作業を一つ一つ見ていく。
1、まずは、テスターにて、燃料切り替えソレノイドまで電源が来ているか確認?
来てる、電圧も十分!
2、ケーブルの劣化を疑って、ソレノイドを取り外し、直接バッテリーにつなげてみる。
ちゃんと作動!カチカチと気持ちよく作動。
でもこのソレノイド、けっこう電気を食う、1個は0.53アンペアもう一個は0.35アンペア、あわせたら1アンペア近く電機を食う。
ただのソレノイドスイッチ、合わせて10ワット?けっこう食うな。
3、ソレノイドスイッチをもとの場所に戻し、バッテリーから直接 バイパス +(プラス)電源をつなげてみた。
すると、ちゃんと作動!
て、事は、ケーブルの劣化???
という事で、最悪、バイパスするとして、出来る限りの事をする。
4、バッテリーを充電器でフル充電
まずは、バッテリーをフル充電にしたら作動するのでは?
4時間ばかり、家にある8Aの充電器で充電。
6Aばかりが、しばらく流れ続けた。
バッテリーを充電していていつも思うのだが、電気自動車の超巨大バッテリー、充電ロスについて誰も言っていないな。どれぐらいロスしているのだろうか?
発電ロス、送電ロス、充電ロス、自己放電ロス。
そろそろ本当の情報が出てくるんじゃないかな。
ちなみに家でのバッテリー充電ロスは、12ボルトに6アンペアで充電するのに。120Wの電力を使っていた。
72Wバッテリーに電気入れるのに、110Wって事は、35パーセントぐらいのロスって事なのだな、きっと。
バッテリーが大体フルになったところで、バッテリーを車に戻し、試してみた。
あれ? 燃料切り替えスイッチは、作動しない。
作動すると「カチッ!」と音がするので作動しているかは簡単に分かる。
原因は、やっぱりケーブルか。
5、シート、床マットをすべて取り外し、バイパス案を検討。
14mm、ラチェットボックスレンチを使って、前2個、中1個の椅子を取り外す。床マット、防音用タイヤチューブを一枚一枚外す。
シフトレバーカバーを取り外し、ギアボックス上を這う、燃料タンク切り替えスイッチケーブルを確認。
さてさて、どこにケーブルを通すかな?
どこにリレースイッチを取り付け、フューズを取り付けるかな?
なかなかいい案は浮かばず。
椅子を外して、シートをはがしてと、戻すのを含めて、これが最も時間を要する作業となった。
なかなかいい案が浮かばなかったので、6に移った。
6、バッテリーのメインターミナルを交換した
バッテリーターミナルは購入以来交換していない、22年以上そのまま。
いつも接点を磨くにとどめていた。
いや、一度も交換していなさそうだ。
おそらく、33年。
ターミナルを外し、新しいものに交換、中のケーブルも芯の一本一本やすりでさびをそぎ落とした。
7、6を行った後、燃料切り替えスイッチを作動出せてみると。
燃料切り替えスイッチは、しっかりと音を立てて作動。
原因はバッテリーの接点の接触不良。
接点の抵抗で、燃料切り替えソレノイドスイッチに十分な電流が流れなかったのだ。
という事で、一件落着。
燃料切り替えスイッチはしっかりと作動するようになったのでありました。
車に乗られている方、バッテリーのターミナル、電流が十分に流れるように気を回してあげてください。
こういった、重大な事故にもつながりかねない些細なトラブルなども、事前に防ぐことが出来ます。
問題が発生し始めるのは、新車から20-30年経過とかかな?
でも、いまどきの車、バッテリーもむやみに外せないんだよな。
作業の写真、後で足す予定です。
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