StarlinkでVRChatやってみたレポ

こんにちは! 青雪たい太と申します。
先日は大分のスタートアップ講座に行ってきました。
電脳酒のアイデア説明難しいですが、こういうエントリーシートとか書くたびに説明もわかりやすくなってる……気がします。

さて、今回はStarlinkでVRChatやってみたという話です。
巷で噂の衛星インターネット回線。イーロンマスクの躍進に気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から書きますと、インターネット回線としては帯域だけなら光回線並みの大容量で映画もサクサク見れて超快適でしたが、VRChatとは衛星回線という特性上、相性が悪く、少なくとも現2024年8月時点ではやめておいた方がいいという結論に達しました。


なぜStarlinkやろうと思ったの?

実家の回線が10MB/s未満と激細!
そして両親がインターネットに疎く、「こっちで費用出す」と言っても「わからん!」と話は進まず。

かといってホームルーター(携帯電話回線)は田舎なので5G回線は圏外。
povoのSIMで4G LTE回線も試してましたが、使い放題プランでもVRChatはすぐに10GBの通信制限に達してしまいます。

そしてホームルーターの費用とStarlinkの費用、計算したらあんまり変わりませんでした。
本格的に契約すると、ホームルーターだと月額通信費用5,500円ぐらい、5G対応ルーター本体新品70,000円ぐらい。
対してStarlinkは月額通信費用6,600円、アンテナとWifiルーター55,000円(+有線LANアダプター11,000円)。

ホームルーターなら中古品で安く済ませることもできますが、
せっかくなら噂のStarlink試してみたいよね!ってことでSterlinkを使い始めました。完全に趣味です。

ただしここでちょっと落とし穴。上の比較には書きましたが、私が注文した時点でのStarlinkスタンダードキットはアンテナとWifiルーターのみで有線LANは非対応。申込時はこれに気付かず……
泣く泣く別途専用の有線LANアダプターを購入しました。これが痛かった……(11,000円)。

Starlink、実際の運用

Starlinkアンテナは倉庫の屋根に設置しました。
一応の台風対策として紐を脚に巻き付けて固定しました。
自動調整機能も良好で、強風吹き荒れる暴雨の中でもかなり安定してインターネットが使えていました。スゴイ。

専用ケーブルはエアコンの穴を通って、室内に設置した専用のWifiルーターへ。
屋根を雨どいを伝って空中配線できたので結構な長さが余りました。
地面にとか埋設すると足りなかったかもしれません。
とはいえ家の屋根とかに設置して屋内に引き込むには十分な長さがあります。

届いたStarlinkの専用WifiルーターはWifi5までの対応でした。
Wifi5なのでヘッドセットとの無線接続に使えないこともないですが、若干通信速度下がりますし、折角の大容量帯域のインターネット回線なのにここがボトルネックとなるのが気になります。
デスクトップPCも有線LANのみ、Wifi非搭載ですし。

無線Wifiを有線LAN化する変換器を噛ませて安くする手もありました。しかしBluetoothやら独自2.4Ghzが飛び交う自室なので混線も気になりますし、配線もシンプルにしたいので思い切って有線LANアダプター買いました。
(ちなみに有線LANアダプターは私が買った第二世代用らしく、アメリカで販売開始されている第三世代は有線LANも搭載しているとかなんとか。日本版でも提供開始してるっぽい?)

構成としては
「アンテナ(Starlink)」ー「Wifiルーター(Starlink)」ー「有線LAN」-「Wifiルーター(既存)」ー「PC」
という感じになりました。
今まで使っていたWifiルーターを、そのままStarlinkのルーターに繋げただけです。

衛星インターネット回線の品質

そうして得たStarlinkの回線速度、なんと300MB/s!!!

雨の日でも170MB/s程の速度が出てました。

参考までに、4G LTEホームルーター(povo(au回線))は最高63MB/s。
現在使っているdocomoの4G LTEだと30~40MB/sくらい。

遅延は40〜50msほどと多く、固定回線に比べると流石に劣ります。
それでも4G LTE携帯電話回線くらいの遅延です。
VRChat内のping値では、「固定回線≪Starlink≦4G LTE」な印象です。

固定回線には及ばずとも、田舎の僻地でも工事不要でこの速度。
そしてこの大容量帯域は本当にすごいと思いました。
10Mb/sの激細回線では、ワールドの読み込みだけで5分10分は当たり前。
動画プレイヤーがYoutube動画読み込んでいようものなら読み込みは絶望的で、フレンドがアバターを着替えても、表示される前に次のアバターに着替えられて見れなかったり……といったことが多々ありました。
Avatar Museumも行けなかったり。

VRChatでもワールドの読み込みもすぐに終わり、フレンドが着替えたアバターも即座に表示され、パブリックの眺めもFallbackアバターから標準のアバターの彩りに満たされ、文字通り世界が変わりました。
ありがたや、300MB/s!!!

StarlinkとVRChatの、致命的な相性の悪さ

半月ほどStarlink回線でVRChatをやっていたところ、何度かログイン認証に失敗することに気が付きました。

どうやらPCを再起動するとログインに失敗している様子。
ちなみに前回VRChatにログインした時から一日ぐらい間が開いても認証に失敗します。
最近になって、DiscordやSlackやZoomでログイン認証処理をした後もVRChatのログインに失敗することもわかりました。

私はPCの電源はほぼほぼつけっぱなし運用しており、再起動や電源OFFするのは1日以上PCを触らないことが確定している日ぐらいでした。
なので発覚が遅れました。

で、どうやら調べたところによりますと、海外でStarlinkを使っているVRChatユーザーの方にも同様の症状が出ているようでして。

なんでも、Starlinkは衛星を中継して通信をしている以上、衛星の切り替わりのタイミングでルートの変更(?)とかいう処理が発生するらしく、これがVRChatのサーバーで弾かれているらしい、とのこと。

チャット系アプリも、ログイン認証の時のルート(?)が記録されたりとかして結果的に不具合起きてるんじゃないかぁ、とか素人ながらに思ってます。

VRChat中もアバターを読み込めなかったり。
動画プレイヤーで動画が再生できなかったり。
イベントカレンダーやポスターの文字が文字化けして読めなかったり。
一度障害が発生すると悲惨で、プレイに支障が出るレベルでした。

あと2024年8月時点ではStarlink側で改善されたようですが、4月くらいまでは通信が途切れることも多々ありました。
たとえばVRChatのワールドにログインして改変作業をしている(VRChat側では完全放置)状態だと、数十分で通信ができないというメッセージと共にワールドからはじき出される……とか。

対策、というか対処法

障害が発生したらStarlinkのルーターを再起動。
今のところこれが一番お手軽かつ、不具合が収まる可能性が高かったです。

たぶんStarlinkアンテナを再起動するのが最もいいとも思うのですが、アンテナは再起動すると衛星を再補足するのに時間がかかります。
5分10分で再補足できたこともあれば2時間ぐらいかかったこともあるのでおすすめしません。

ただこれでも、長時間VRChatやってると再度障害が発生することも度々あったので万能ではなく、ルーター再起動でも治らなかったらガマンするしかないのが現状です。
幸いにも動画(URL系のギミック)がダメなだけでワールド探索は出来ますし、アバターの読み込みも認証通るまではできないだだけでフレンドとの会話はできますし。

結論

8月に入ってホームルーターに切り替えました。速度は30~40MB/s程です。
激細10Mb/sにくらべれば3倍以上で十分実用範囲なのですが、Starlinkの300MB/sに慣れてしまった身としてはやはり遅く感じてしまいます。
それでもログイン認証周りの不具合が無くなり、快適になりました。

ホームルーター専用SIMを契約したことで、いまのところ通信制限がかかる様子もありません。

というわけで、結論としてはVRChatにStarlinkはおすすめしません……。
4G LTEでも、地上回線のホームルーターの方がVRChatに良いです。

余談

専用のホームルーター機器、中古をフリマアプリでさがしてみたら結構安かったです。
現行モデルでも15,000円ぐらい。旧型モデルなら5,000~10,000円くらい。

Starlinkの有線LANアダプター分だけでホームルーター用意できました(血涙)。

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