優しい人

特徴がなく、つまらない僕でもよく言われることがあって。

「優しい人だね」って言われる。

褒めることがない奴に言う褒め言葉第一位。

でもこの褒め言葉言う人殆どが付き合いの長い友達だったり、お世話になってる人だったりするので多分本当にそう思って言っているんだろうなって。（思っていない人がいたら言ってくれると安心します。）

この優しいって言葉を言われると嬉しいって気持ちよりも複雑な気持ちになる。

僕が人に優しくする理由って人に嫌われたくないっていう恐ろしさと下心があるから。

人に優しくする理由としては多分すごく当たり前な理由だと思うし、別にこれが汚い理由だからって話ではない。

ただ、これって別に褒められるほどいい優しさではなくて、恋人とか友達とかと接するときに当たり前にやる優しさなんじゃないかなって。

褒められるくらいの優しさっていうのは100%善意からくる優しさなんじゃないかなって思う。

僕の優しさっていうのは殆どが人に対する恐ろしさと下心からくるものだから、褒められると後ろめたい気持ちになってちゃんと受け止めることができない。

もう一つ、複雑な気持ちになる理由があって。

僕の偏見もあるけど、優しい人って小説や物語では碌な目にあってなくて、大体がバッドエンドを迎えているものが多い気がする。現実でもあまりいいことはないんじゃないかな。

「優しい人」って言われる度に、お前はバッドエンドを迎えるんだって宣告されてるみたいでとても辛い。

この優しさをきっと捨てることはできないから、どうにか折り合いをつけていきたい。