夢

昔好きだった人がいつも夢に出てくる。

小学生のときから好きでなぁなぁな関係なまま高校生あたりで自然消滅してしまったんですけど。

その好きだった人が夢の中で僕に笑いかけて楽しそうに話しかけてくる夢。

現実と違って夢の中だと僕はめちゃくちゃ明るくてなんでもできる人間でまさに自分の理想の人間になってる。

そんな夢を見てしまったら目覚めは最悪。もう何もしたくなくなるし、だからといって夢の続きなんて見たくないから寝直すわけにもいかない。

どうせならその人に殺される夢の方がまだ目覚めがいいくらい。

だけど、その夢が本当は現実にあったんじゃないかって思い始めてきた。

夢のくせに鮮明に思い出せてしまうくらい現実性があるから実際にあった思い出と誤認識してるみたい。

高校生の終わりから今までずっとそれを見続けてるから、今では夢も思い出もごちゃごちゃになって区別がついていない。幻想が現実になってしまっている。

風化されていく過去の思い出が、真新しい幻想の思い出に塗りつぶされていく中で、解決するべきなのにそれをしないのは、きっと何処かでそれを望んでしまっているからだと思う。

そうして思い出だけではなく、その人の姿も声も幻想に塗りつぶされていって、もうどこにも存在しない人になって、その幻想を追い続けることになるんだと思う。

報われないことになるのに、それを望んでしまっているのはなんでなんだろうね。