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住んでから,どうにかする。 【地方空き家サバイバル】

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ある30代男性は,ひとりで地方に移住することにした。 住む家は築50年くらいで,窓ガラスは割れ,カギもしまらない。 知り合いがいるわけでもなく,お金もなく,仕事もない。 さらには…
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#人を知る

地方移住を決断するまで

5年間,働いた会社を辞めたのは,虚無感に耐えれなかったからだ。この仕事に何の意味があるのか,誰の何に役立っているのか,そんな疑問を感じながら働くことは虚しかった。 仕事を辞め実家に戻った。早朝にスーパーで品出しのパートをし,午後は読書という生活を送った。コロナ禍の影響もあり,こんな生活を2年半も続けていた。品出しの仕事は,達成感や誰かの役にたっている実感があり楽しかった。どうやら,私にとっての報酬は,お金ではなく,達成感や有能感といった感情なんだと気づいた。 では,達成感

人を知る 【地方空き家サバイバル,31日目,2022/6/22(水)】

この地から出ていく段取りは,すぐに終わった。来るまでの段取りの,1000分の1くらいに感じた。生活用品の配送,飛行機,電気,水道の停止,といった手配は,あっという間に終わった。この地を離れるのは,明日の夕方になった。 その後は,あいさつまわり。畑を貸してくれた人に事情を説明した。畑を中途半端に投げ出すことになったが,嫌そうな顔ひとつせず,むしろ今後のことを応援してくれた。この人だけでなく,あいさつにいった人たちはみんな,今後のことを応援してくれた。やりたいことだけやって,