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市民協働によるまちづくり実現のために

そもそも「まちづくり」とは何か?

はじめにまちづくりの定義について考えてみたい。福知山市自治本条例によると“快適な生活環境の確保、地域社会における安全及び安心の推進等住みよいまちを実現するための公共的な活動の総体をいう。”とあるがいささか分かりづらさを感じる。もうひとつ他の視点からも考える為に、まちづくり界隈では著名なコミュニティ政策学会理事であり、京都市役所まちづくりアドバイザーの谷亮治氏(社会学)著書「もてるまちづくり」からもその定義を紹介したい。“まちの範囲の人たちならだれでもアクセスできる公共の財産を創り、育て、守り、しまう営み。”とある。少し理解が出来た気はするが、いずれにしろより主体的にまちに関わる市民から、たまたまこのまちにいる一般住民まで、この説明を聞いて理解が出来るか出来ないかが重要ではないだろうか。ここで本稿では、今のところまちづくりは罪づくりな言葉と位置付けたい。

「まちづくり」が「罪づくり」にならないヒント

ここからは執筆者がフィールド調査を行ってきた中から、兵庫県尼崎市の事業である「みんなの尼崎大学」を紹介したい。この事業では市役所と地域のコンサルティング会社が、これまでも主体的であった市民やNPO活動者から、これまで主体的ではなかった一般の住民までをまきこみ、共に自治とまちづくりをしていくことを時に間接的、時に直接的に学び合う場として、コミュニティ・カレッジを運営している。コミュニティ・カレッジとはソーシャル系大学とも呼ばれる「みんなが先生、みんなが生徒」になり、大人から子供までが楽しめ「出番と居場所」にもなる活動だとここでは定義する。尼崎市自治のまちづくり条例リーフレットでは、自治のまちづくりの入り口として①相談できる窓口がある!(6地区に地域振興センター)②話し合える場がある!(みんなの尼崎大学)③学びの場がたくさんある!(みんなの尼崎大学)④活用できる制度がある!と紹介されており、条例においても非常に重要な事業であることが分かる。

アップデートしていく自治基本条例

現在、402の地域で自治基本条例およびまちづくり条例があると、公共政策研究所からは報告されている。その中の多くの自治体では条例の改正や補完する条例を、また石垣市では条例自体の廃止を検討(結果、否決)、自治やまちづくりを促進するための支援機能(中間支援組織)や市民基金(コミュニティ財団)の設立やその準備をする自治体と様々である。しかし、市民協働によるまちづくりに本当に必要なものはなんだろうか。尼崎市のリーフレットと福知山市のリーフレットを見比べると、直接的に「でばんですよ!」(尼崎市)と投げかけるメッセージと「みんなで力を合わせ共に“幸せを生きる”ために」(福知山市)と言ったメッセージの違いこそ課題ではないかと感じている。福知山市自治本条例第8章第27条最高規範性には自治基本条例推進委員会を“この条例による市民の参加の状況把握及び改善を”とあるが、まさにその改善の為にアップデートする必要が自治基本条例推進委員会にあるのでないだろうか。

ーーー福知山市公募委員応募の小論文をNOTEでもーーー

地域組織研究所

松井裕督ファシリテーターオフィス

松井裕督


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