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階段

夜中、ビルの8階から非常階段を
下っていました。自分の足音がする中、
一段づつ降りていきました。

目線をつま先に落として踏み出した
その瞬間、私の張り出したお腹から
自分の靴の先が見えた時、
強烈な感覚に襲われました。

立ち止まり、上の方の踊り場を見て
「彼処に居たことはない」と、
そして下方の出口ドアを見て
「彼処に着くこともない」と、

強烈なる何かの影を反芻していました。
何故か口元が緩み幸福でした。

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