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世界の中心で文句を叫ぶ。

Yahoo!が、11月中旬頃にコメント投稿における携帯電話番号の設定を必須化することを発表しました。

Yahoo!ニュースのコメント欄は、通称「ヤフコメ」とよばれ、不適切な(穏当な表現)コメントの温床となってきました。かつてはここで中国・韓国等へのヘイトスピーチが横行していました。昨年8月に、京都府宇治市の、在日韓国人が集住する「ウトロ地区」を放火して逮捕された容疑者は、「ヤフコメ民を煽ろうとした」という供述をしていたそうです。

他にも、一部芸能人や、他には特に秋篠宮家関連が誹謗中傷の標的になることが多く、法的措置をとった人もいます。

 そういえば、秋篠宮家出身の眞子さんと結婚した小室圭さん、ニューヨークでの弁護士試験に合格したらしいですね。おめでとうございます。試験はもちろん英語だし、しかも奥さんが週刊誌やヤフコメなどのバッシングで精神的PTSDになるまでの状況に追い込まれながら、結局結果を出したわけで。よかったです。本人が一番わかっていることだと思いますが、ここからがスタートです。

 なんかここのヤフコメ欄はおとなしめですが…普段の威勢のいい人たちは「ぐぬぬ…」となってしまったのでしょうか。
 Yahoo!もコメント欄が誹謗中傷の温床となる状況を放置していたわけではなく、人力だけではなくAIによる不適切なコメントを消去する施策を行ってきたということで、今回の携帯電話番号登録の必須化もその一環ということです。Yahoo!によると、コメント欄の投稿停止措置を受けたユーザーの半数以上が、携帯電話番号の設定がない人だったそうで、この携帯電話番号の設定義務化で、そういう人たちが減ることを期待しているみたいです。
 (ただ、携帯電話を持っていなくて、もっぱら固定電話から繋げたパソコンから誹謗中傷コメントを書き込んでいる人はどうするんだろうという気がしないでもないです。レアケースだとは思うけどあり得ない話ではない。)
 ただ、いくら携帯電話と紐づいたところで、悪質なコメントがこれで全くなくなるわけではないということは、実名登録が義務付けられているFacebookでも、誹謗中傷コメントが後をたたないことからもわかります。彼らは自分の意見が正しいと信じて疑わず、それゆえ実名が出ようが何ら恥ずかしくないと思っていると思います。Yahoo!もそれが分かっていないことはないと思うのですが、それでもできることはしなければということなのでしょうか。

 最近の、いわゆるZ世代とかは、SNSに自分の実名が載ることに対して抵抗がないみたいですが、私のような老害世代は、ネット上にみだりに個人情報を載せてはいけないと言われてきました。(今でも基本的には同じはずですが、当時は自分の実名すら出してはいけないというルールだったと思います。)仕事とか公的な部分以外で、自分の本名を検索して、自分のことを言っているページがないと安心します。それを逆手にとって、ネット上で匿名であれば、何を言ってもいいという場を作ったのが、西村博之氏(以下ひろゆき)が創設した「2ちゃんねる」です。
 最近彼は、沖縄の辺野古基地で座り込みを続ける人たちが設置した看板の前に、誰もいないことを確認し、その前で嬉しそうに写真を撮ったことで、ネット上で論争を起こしました。基本的にはこういう承認欲求の塊にたいしては、無視するのが最適の策なので、今まで何もコメントせずにきました。そもそも沖縄の基地問題というのは、そう簡単に本土の素人が扱えるほどの易しい問題ではありません。看板を設置した人たちも、我々にはわからない強い思いがあるものの、どうしても常に人を配置することが難しいときもあります。その合間を縫って、こうした活動をしてきた人たちを嘲笑するような行動は許せるものではありません。そもそも、彼は2ちゃんねるで行われてきた数々の誹謗中傷案件に対して提訴され、億単位の賠償金を支払うよう命じられていたはずが、それを回避するためにフランスに移住したはず。それなのになぜ沖縄にいるのか。日本の司法当局は、この機会に、賠償金の全額を支払うまでは出国させないなどの強い措置を講ずるべきです。彼の悪影響はアメリカにも及び、ニューヨークで起きた銃乱射事件の背景には、彼が所有・管理するアメリカ版「2ちゃんねる」こと「4chan」の影響があると指摘されています。

 日本で(外国でもかもしれないけど)、ネット上では何を言ってもいいという文化を作ったのは、ひろゆきに他ならないわけで、もし、本気でネット上での誹謗中傷をなくしていきたいのであれば、ひろゆきと刺し違える覚悟がないとやっていけないと思います。しかし、こんなド直球の差別発言をしてもアカウントを凍結されない彼なので、日本のSNS事業者にその覚悟はなさそうです。他の人は凍結された人もいるんですけどね。

 それに、仮にヤフーのコメント欄でコメントできなくなったとしても、ネット住民にはさらにコメントを書き込める場があります。それが通称「増田」と言われる、はてな匿名ダイアリーです。

 こちらは、書き込みには一応会員登録は必要ですが、その際に詳細な個人情報を登録する必要はなく、しかも書き込みをするときに誰が書いたかは明らかにされません。もともと試験的なサービスだったと思うのですが、すっかり定着してしまいました。それでも何か事件があれば閉鎖することも検討されるかもしれません。
 ただ、そうやって言論(彼らにとっては)の場が失われると、その矛先が現実世界に向かわないとも限らないわけで、もしそうなったときに莫大な実被害が出ることを考えると、このような場も必要悪として残していかなければならないのかも…と複雑な気持ちにもなります。
 それに比べれば、noteの治安は安定しているように見えます。悪いところが見えていないだけかもしれませんが。

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