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秋の鉄道旅2023①~岡山電気軌道編~

 10月7日~9日の3連休に、鉄道旅をしてきました。
 以前から日本唯一の定期運行寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」に乗りたいと思っていたところ、たまたまチケットが取れたので、行くことにしました。
 「サンライズ出雲・瀬戸」は、出雲市駅(島根県)と高松駅(香川県)を出発し、岡山駅で両者を連結して、東京まで向かう寝台特急です。(これについては、次回の投稿で紹介します。)ということは、少なくとも岡山までは行かないと、乗ることはできません。ということで、まず岡山に行くことにしました。


チャギントン列車

 岡山には岡山電気軌道という路面電車が走っています。東日本では一部を除いてほぼ絶滅した(しかし最近宇都宮で復活した)路面電車ですが、西日本ではまだ残っている場所もあります。岡山の路面電車もその一つです。この岡山電気軌道の看板列車といわれるのが、今回のトップ画像にもなっているチャギントン列車です。
 「チャギントン」はイギリス発祥の鉄道アニメで、日本ではフジテレビのほか、西日本の一部のフジテレビ系列局で放送されていますが、同じジャンルの「きかんしゃトーマス」と比べると、コンテンツとしてマイナー感が否めません。果たしてどれだけ集客できているのでしょうか。
 しかも、料金は大人3,400円、子ども1,900円(土日祝日および夏休みは100円up)と、なかなかな金額です。しかも子どもだけでは乗ることはできないので、主要顧客である子どもと、付添いの大人が一緒に乗るとすると、それだけで5,000円を超えます。この金額には、終点にあるおかでんミュージアムの入場料と、1日乗車券が含まれてるとはいえ、なかなかの出費です。ここで集金したお金が、通常運行の支えになれば、それはそれでいいのですが。

危険な乗り場

 岡山電気軌道(通称おかでん)は、路面電車なので、道路の真ん中に停車場があります。普通はそうなのですが、中にはどこで待てばいいのか分からないところがあります。中でも最も危険だと思われるのが、中納言駅です。

どうみても駅には見えない中納言駅

この画像の、オレンジの枠で囲ったところが、駅でいうところのホームです。しかし、この上を車も走っていくので、ここで電車を待つのは危険です。ということで、乗客はその横の電柱に、「中納言」という表記があるので、そこで待つことになります。なぜ他の駅と同じように、線路と線路の間にホームを設けなかったのか、謎です。しかも、隣の小橋駅(同じような構造です。)と、それほど距離は離れていないので、そもそもここに駅が必要だったのかというのも謎です。ちなみにこの先に、おかでんの本社と車庫があるので、路線自体は必要なものです。

岡山駅前延伸計画

 現在、この路面電車の岡山駅前の発着地点は、岡山駅から駅前の大通りを挟んだ向かい側にあります。若干距離があるので、これを、岡山駅の構内まで延伸させようという計画があり、すでに工事が始まっています。

どうせなら降車ホームも駅に直結してほしい

 ただ、この延伸計画には66億円もの費用がかかるので、はたしてそこまでやる意味があるのかどうかも議論になっています。また、工事に伴い、送迎のための場所がなくなり、市民生活にも影響を受けているとのことです。
 確かに、岡山駅を出てから路面電車に乗るには、横断歩道を2回渡らないといけないし、乗り換えにしては歩く方だと思います。なので乗り入れをしたいという気持ちは分かります。ただそれに必要な金額を聞いてしまうと、考え込んでしまいます。
 岡山駅の駅前には、地下街が広がっていて、在来線の改札口も地下に設けられています。この地下街を通って、乗り場に行くこともできますが、道が分かりにくい上に、地下から地上に上がる手段が階段しかありません。この路面電車の乗り場に向かうための案内をもっと分かりやすくし、地下から地上に上がるためのエレベーターがあれば、もっと路面電車に乗りやすくなると思います。少なくともこれだけをそろえるのに66億円はかかりません。その浮いたお金を、他の路線の延伸計画に回せばいいと思います。

さらなる延伸計画

 おかでんは総延長距離4.7㎞と、日本で一番短い路面電車といわれています。ということで、路線を延伸させようという計画が色々と持ち上がっています。しかし、費用的な面を考えると、個人的には一つしかないのではないかと思います。それは、清輝橋線の終点・清輝橋駅から岡山大学病院に入り、岡山市役所から杜の街グレース・イオン岡山を経て岡山駅前に戻ってくるルートです。

つまりこの地図でいう①と②のルートです。

 他のルートはどうやって分岐させるのかとか、色々問題があります。⑦はそこまで需要が見込めないと思うし、⑥に至っては全く新規の開設になるわけで、これもそこまで需要が見込めないと思います。ただ、このルートも問題がないわけではなく、②のルートの道はそれほど広くないので、通院客がターゲットとなるはずの岡山大学病院駅前の停車場は中納言駅の二の舞になる可能性があります。それでも良ければという感じです。

ということで、岡山電気軌道について語ってきました。色々問題点はありながら、しかしこれからも路面電車を守っていこうという気持ちは十分に伝わってきます。岡山市内は街中はバスも充実しているのですが、それ以外のところは公共交通機関が不足しているところもあり、車社会でもあります。そのあたりの共存をどうしていくのか、注目されます。

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