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スキップとローファー 47話 覚え書き

スキップとローファーの感想は普段Twitterでダラダラ書いているのですが、今回からnoteにまとめてみたい。志摩くんを中心に深堀していきたいと思います。

スキップとローファー47話のネタバレがあるので注意してくださいね!



友達目線にはまだ戻れないよね

 別れた次の日の朝。前を歩くみつみちゃんに話しかけようとするも、氏家くんに先を越される志摩くん。2人の様子を後ろから見て、みつみちゃんの屈託のない笑顔を「男にすぐ勘違いされる」距離感だと心配しています。
 みつみちゃんの楽しそうな様子に対する志摩くん、ちょっと恋愛の相手方として意識した後の目線ですよね。一歩引いて全体を平等に扱う志摩くんは、自分に好意を持っていると認識した人を「恋愛フェーズ」に一度持ち込んでそう。
 恋愛対象として意識したことがない男友達も、一度二人きりでお出かけすればそういう相手として意識するって場面は屡々描写されます。私は恋愛フェーズに持ち込んだって言い方しちゃうんですが、2人は実際お試しお付き合いしたんだから尚更フェーズ切り替えはしたんじゃないかな。
 ただ一度話しかけ損ねたことでフェーズを戻すチャンスを失った志摩くん。自分の彼女じゃないことは認識してますが、恋愛目線で見ちゃった。

いじける志摩くん

 Bパートではカラオケに集う芸能組に場面が移り、志摩くんが別れの報告を2人の前でします。(色々リリカちゃんの反応が描写されていますが今回は触れないとして)振ったのか振られたのかクリスが聞くと「俺の気持ちは好きと違うんだってさ」といじけた表情の志摩くん。
 元々志摩くんは「これは好きっていうのか…?」と不明瞭な気持ちのまま付き合うことに不安があったのに、いざ振られると気持ちが晴れない様子。クリスくんは赤ちゃん(のイヤイヤ期か?)みたいな情緒だと言っていましたがめちゃめちゃ面倒臭いですよね笑
 ここの解釈何通りか考えられると思うんですが、私はこう考えます。

志摩くんは「好き」の解釈を他人に任せていたので、絶好の機会だと思った今回も「好き」の本当の解釈を見つけ損ねたことにいじけている

わたし

 志摩くんってもともとみつみちゃんに憧れを抱いているところがあると思います。彼女は太陽で、自分のできない葛藤などを軽々と乗り越えていく(ように見える)。そんなみつみちゃんは前回のピクニックで損得勘定のない「好き」を見せてくれましたね。みつみちゃんは「恋じゃなくても性別年齢関係なく志摩くんが好き」だと言い、「好き」にも色々あってそれを区別できているような印象を志摩くんに与えるセリフでした(みつみが実際に区別できているかは別)。
 ちょっと46話に逸れますが、このセリフ、志摩くんが異性の承認を得る機会は恋愛フェーズが9割ほどだと認識していることを示すAパートと対照されてすごくいい。志摩くんは「俺の需要はここ」と認識するように、人間関係上の利点を提供する材料のように自認して居ます。
 だが人を損得でジャッジしないみつみは、彼の夢物語の理想そのもののような尊敬と受容を提供します。

 さて戻りまして私の解釈ですが、志摩くんは「好き」の解釈は他人から向けられた損得勘定によって少し歪んでいるのではないかと思うんです。他人のアイテム扱いに慣れると、尊敬と受容に満ちたみつみの「好き」も真っ直ぐ受け止めきれず、「ほんと?」なんて自信のない返答で精一杯。そして今回付き合うことに再挑戦して見つけられるかもと期待した「好き」の砂もつかめず、掴む前に尊敬する人間から解釈の間違いを指摘される始末。志摩くんが敏感に感じ取れるのは他人の潤滑油としての需要で、「好き」はやっぱりわからずじまい。
 志摩くんは自分の中で確かに他人が楽しそうに持っている「好き」に似ていそうな感情をみつみちゃんに対して抱いたけれど、尊敬するみつみちゃん目線では違うらしい。じゃあどうやって見つければいいんだろうね、という具合です。

スキップとローファーは1年生編では、劣等感を持っている主要メンバーにより焦点を当てていましたが、2年生編では少し角度が違ってすごく楽しいです。志摩くんってこの漫画の中では芸能出身に容姿端麗、男性キャラと一番共感しづらい配置なのかな、とふんでいるんですがだからこそこれからの展開が楽しみです。

ご好評でしたら他の話の深掘りもしたいなあ、って考えているのですが、どうか初めて感想考察的なものを書いたのでお手柔らかにお願いします。


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