内田洋子さん「ジーノの家」

 内田さんはイタリア在住30年余のジャーナリスト。
 この作品は、日本エッセイスト・クラブ賞と講談社エッセイ賞をダブル受賞した10話のエッセイで、ひなたぼっこしながら気持ちをイタリアに飛ばして読める優れた作品です。
 初読時は「ジーノの家」や「私がポッジに住んだ訳」のような引越した先での人間ドラマに惹かれましたが、読むのも3回目ともなると「リグリアで北斎に会う」の話の不思議さや、この話に登場するベネデッテイ・ミケランジェリの天使と呼ばれたキヨコさんの話も面白く感じました。

「ジーノの家」文春文庫/内田 洋子

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?