見出し画像

仕事を辞めてインドでヨガ!のリアル

インドに来たのは4年前。ヨガ講師の養成コースを受けるためだった。観光客の多いビーチリゾートではなく、ヒマラヤの麓で密かな人気のクラスへ。入学してみたら、初日は生徒が私ともう1人、たった2人のクラスで驚いた。何か、サイトで見たイメージと違う。

「インドでヨガ」という響きに、私の妄想が膨らみ過ぎていたせいか?脇目も振らず修道院で修行する尼僧のような生徒と、理路整然と哲学を繰り出すストイックな先生‥多くの仲間と切磋琢磨され、遂に栄光を手にする自分‥なんてね。

想像が、かなり違ってた。

まず、クラスは時間通りには進まない。集合時間から長いおしゃべりが始り、もう一人の生徒の個人的な疑問にずっと付き合って話し込む先生。「何をしても痩せないの、先生」って、明らかに食べ過ぎ運動不足だろ。

3食宿泊込みのコースは、ゲストハウスの屋上に作られたスタジオで行われた。標高二千メートルから谷を見下ろす視界は絶景。風の通る空間も気持ちが良い。でもトイレは入口横にカーテンで仕切られただけ、水の供給が止まっていたり掃除もされていない。それで結局私が頼んで水を出してもらい、掃除もする羽目に。

朝は先生が持って来るバナナかマンゴーとチャイを皆で分け合う。先生が果物を忘れた日は、私が走って通りの果物屋台で買って来るか、ゲストハウスの適当なトースト。

そんな中ラッキーだったのは、果物屋台で偶然、その町で唯一の日本人に出会ったこと。

クラスの相棒は大都市ムンバイから来た富裕層のマダムで、気は強いし話も合わず、正直これから1ヶ月どうしようと思っていた。そんな時に思いがけず日本人に出会える不思議。彼女はバックパッカー兼、自分でこの山の避暑地にお店を出した料理人だった。

後にこのNちゃんと秘境へローカルバスの旅に出て、私は今の夫になるA君と出会うことになる。

実技のクラスはさすがに素晴らしかった。ヨガ専攻の学位を持つ先生のデモンストレーションはピカ一で、やはり本場インドに来て良かったと思わせた。哲学の時間にはあらゆる疑問を持ち込んで質疑応答が行われた。ギータの教えから、ヨガの創始者パタンジャリはヘビの魂だったという話、欧米で名を成したヨガ教祖のスキャンダル、クンダリーニと性エネルギー、インドに伝わる黒魔術などなど。ヨガとインド、その歴史やスピリチュアルな部分を解き明かしたり、自分の心の課題として渡されたり。

朝と夕方の実技の時間には、ドロップインと呼ばれる飛び込み参加の旅行者が多く訪れた。最初こそテンションの高い旅行者のエネルギーに戸惑ったが、ありとあらゆるヨガのスタイルを身近で感じることになり、結局は勉強になった。ある1つのグループ内だけでは見えなかったかもしれない。ヨガは人種はもちろん年齢や体型、経験や病歴を問わず、どんな体質気質の人にも開かれている。

クラス5日目、アメリカ人の20代女子リンがメンバーに加わった。

クラス8日目、何と先生の奥さんサンジタも参加。子育てから練習を休んでいたけど、現場に復帰する予定とのこと。

筋力の足りないアラフォー日本人の私を含む4名のメンバーがようやく揃った養成コース。

その後1ヶ月、どこまでもお互いの想像を裏切る形で私たちを養成してくれることになりました。

画像1

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?