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20230824

森散歩の帰りがけに、顔見知りの親子さんとすれちがった

色白で屈託のない笑顔がかわいらしいおじょうさん
きょうもベビーカーを降りて、自分の足で懸命に歩きながら笑いかけてくれた

お母さんのお腹にはあたらしいいのちが宿っている
以前お見かけしたときよりもますますふくらみ、はちきれんばかりとまんまるくなっていた

「お産、そろそろですか?」
『来週なんですよ』

あくる週になれば、いまはまだお腹のなかにいる存在が、この世界にあらわれているんだ…!
なんだか感極まり、ことばにならず…
なんとかしぼり出した拙い語彙で心のままにエールを送り、その場をあとにした

家路につく道すがら、
「そうか…翌週には、あの子はおねえちゃんになるんだ」
「お腹の子がいるお母さんと…いや、そもそもお母さんとふたりで、こうして散歩する夏の朝、この日常もあと少しなんだなぁ」
なんて、勝手ながら想像をふくらませては感慨深さが募った

そうして見上げた青空はただただ青く、もくもくとした入道雲はまるでつくりものみたいなテクスチャに思える
そのコントラストがあまりにも夏めいていて、なんだか泣きそうなくらい迫るものがあった

いま、何気なく過ぎゆく日々
いつかは「なんていとおしいものだったのだろう」と慈しむ日がやってくるのかもしれない
そんなふうに思い出すことすらなく、知らず知らずのうちに忘れ去られてしまうのかもしれない
どうなるかはわからないけれど、この瞬間をどっぷりと味わおう
しっかりと抱きしめよう
そう思わずにはいられなくなった

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