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20231020

大切な友だちがはるばるやってきてくれた

かねてより彼女がつくっていた葛の葉のお茶
満を持してこの秋発売となった
いよいよ仕上がった製品を携えて、おみやげにと持参してくれたのだった

鉄瓶で沸騰させたのち、やかんに差し替えて茶葉を入れてふたたび火をかける
煮出すことおよそ5分
茶こしを使って淹れてみると、ほんのり色づいたお茶があらわれた

まずは香りをかいでみる
ふわりとやさしく芳しい
さぁ口に含んでみよう
じんわりとまろやかな味わいが広がっていく

植物のそなえるエネルギーに触れ、こうして摂り入れることができるなんて、なんと豊かなことだろう
手塩にかけてかたちになったお茶、芯に沁み入ります

営業日はいつもにぎわっている斜向かいのお店
きょうは予約が空いてるとの吉報があり、すかさず問い合わせた
10ヶ月ぶりくらいかな、やっとこさ食べる機会がめぐってきた

つくづく料理とは、つくり手の叡智があらわれるものだと痛感する
素材に対する知識と敬意、さじ加減を見極めるバランス、知恵とユーモア、そしてなによりご本人がいかに食いしん坊かということが要になる
おいしいを知っているから、おいしいものをつくれるんだ

絶え間なく動き回るわんぱくの相手をしながらの気ぜわしい昼餉
先に食べ終えてくれた彼女が子の相手をしてくれたおかげで、なんとかたいらげることができた
子とも友だちでいてくれること、ほんとうにありがたいし、なによりうれしい

旬と創意工夫が織りなすすばらしいごはんにありつけたこと、それをだいすきなひとともにいただけるとは、なんたるしあわせなんだろう
身も心もはちきれんばかりと満ち足りた

お店をあとにしたわたしたちは、一旦我が家で小休止ののち、いつもの森へと足を伸ばした

道すがら、子は遅めのお昼寝に
着いてもなおぐっすりだったので、ふたりでごく簡易的な野点(のだて)をすることに

ベンチに腰掛け、水筒から熱湯を、そして茶葉をタンブラーに注ぐ
しばらく置いて飲んでみると、先ほどよりも野趣あふれる滋味が迫ってきた
淹れ方によって、だいぶ変わるのね
飲む場所が変わったのもあるけれど、なかなか興味深い

お茶を片手に、お互いのことを話した
ふだんはあまりことばにしたりせず、ひとには打ち明けないようなことも、不思議とするする声になってあらわれていく

こうした気のおけないひととき、いいなぁ
森のような自然のなかに身を置くと自分に還りやすくなるのは、きっと自然体であれるからなんだろうね

5時のチャイムが鳴ったので、そろそろと駅に向かった
もうさすがにつるべ落としだね
樹々の間から、燃えるような夕焼けがすこしだけみえた

帰り際はいつだってものさみしい
けれど、またすぐに会える
それに、心はぐっと近くにいるからね
だいじょぶ、だいじょぶ
またすぐにね!

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