20231129

夜中授乳で含んだ口内が驚くほど熱くて、体温計を引っ張り出す
検温が済み、みてみると案の定…！
39.6°とは史上最高温だ
ふだんはつめたい手足だけでなく、額や頭までびっくりするほど熱くなっている

ふだんのありあまる元気がナリを潜め、うつろな目で宙を仰いでいる
グッタリしたり苦しそうにしていないのは、不幸中の幸いか
目を閉じるまで寄り添い、なんとか眠りにつくのを見届けて安堵して眠りにつく

あくる朝、いつもより早めに起床
毎週水曜日には宅配の方がいらっしゃることになっているんだけど、今朝は来訪が遅れた
ちょっとようすがおかしいかな、と思った矢先に、「腰をやってしまったんですよ…」と、情けなく感じているような話しぶりで打ち明けてくれた
配達のお品物ってかさばるし重いだろうに、大変だろうな…！
どうかどうかお大事に、よくなりますように

いつもならチャイムの音で玄関まで駆けつけてくる坊や、さすがにびくともしない
たっぷり、穏やかに眠れているようならよかった
起こさずそうっとしておくことにしよう

図らずも生まれた自由な時間
やりかけの作業やラリーを返すなど仕事がさくさくと進んだり、本を読み進められるのはありがたい反面、素直にうれしいとは思えないのは、きっと彼のお熱のせいだろう
つくづく、ひとって勝手なものだね

じき目を覚ました子は、依然としてぽやっとしている
ふたたび検温すると39.3°
わずかに下がっているものの、まだまだ気が抜けない

さすがに不安が拭えず、かかりつけの先生に電話してお伺いを立てる
「（お母さんからみて）具合が悪くみえたら、受診予約してください
それほどでもなさそうなら、涼しくして過ごさせてあげてください」
体温こそ高いけれど、重篤でもなさそう…かな？
しばらく経過観察することにした

試しに、きのう果物屋さんでいただいてきた愛媛のおみかんをしぼって飲ませてみたら、すんなりと飲んでくれた
これはいけそう
続いていつもの半分以下の量で朝ごはんを用意したら、大方食べてくれた
食欲はあるし、お水もよく飲む
もうしばらく様子見だな

食後、体温を測ると38.3°
徐々に下降してきたぞ

いつものように駆け回ることはないけれど、ずっと寝床にいる気分でもないみたい
膝のうえに座って絵本を読んでとせがんだり、静かに遊んでいた
じきトロンとしてきたので、お布団のうえに横にしたら眠ってしまった

さすがに気が張るのか、お昼ごはんを食べたら眠気と疲労感が襲ってきて、隣で寝転んでいるうちに眠りの世界へ
気付けば坊やは3時間ほど、わたしまで1.5時間あまり午睡してしまった

起き抜けに改めて検温すると37.2°
やや高めではあるけれど、平熱の範疇に戻ってきた

ここで気を抜くとぶり返すから、慎重に
きょうは靴を履くことも玄関を出ることもなく、終日おうちで過ごすことにした

夕方になるにつれて、いつもの調子が戻ってきた
登ってほしくないところに登ったり、絵本やおとなの本をひっぱりだしてはめくったり並べたり、大きな声で母を呼んだり、廊下を行ったり来たりして通常運転になってきた
劇的な回復力に感心しきりだ
夕飯の前後には36.9°まで収まった

元気がないと味気ない、健康がいちばん
そう思っていたのに、いざ回復すると、束の間の静けさだったなぁと早くも懐かしんでいたりする
呆れるほどに、ひとなんて勝手なものだ

発熱できるほどに成長したのだろうな
そう考えると、感慨深いものがある
そして、汗もかかずに解熱するなんてびっくりだ
ほんとうにしなやかで強い子
ちいさくも頼もしい坊やです