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20231202

信州は上田にある面影 book&craftさんでのイベント【gift for sense】に、アートブックの選書というかたちで参加している

今年の春分の日にはじめて同店を訪れたことが契機となった
かねてよりSNS上でのやりとりはあったものの、対面でははじめましてのわたしに対して、アートブックの選書をご依頼くださったのだ
なんとありがたいことだろう
ふたつ返事で「お願いします」とお応えした

夏の目前あたりからzoomでの打ち合わせ、そしてメールベースでのやりとりを進めてきた
同店の音声配信『面影飛行』にお呼びいただくことになったのは初秋のことだったかしら
11月初旬には店主・岩井夫妻の友美さんが我が家に足を運んでくださり、おしゃべりを実録するようななごやかさで収録した

*会期目前に更新されたエピソードはこちら
https://open.spotify.com/episode/2HTgROjlKpPaEgstS5kOrA?si=a1c61ef2246d4d32

会期中の在店は、わたしが申し出たこと
本屋時代に店頭に、ポップアップの会場に立つ経験を重ねてきたから、選書した者がお客さまへと橋渡しする役目を担うというごく自然な発想なのだ
それが自分のやりたいことであり、ある種強みでもあると思っているからね
おふたりもご快諾くださり、それに向けて計画をし、体制を整えてお待ちくださっていた

こんなふうにして、じっくりと熟成させるようにして取り組んできた協業
きょうの在店はその集大成ともいえる日だった
しかし、想いの強さとは裏腹に思いがけない流れがやってきて、その試みは頓挫とは言わずとも想像とは異なるところに着地した

決定打になったのは、坊やの体調だ
微熱を経て平熱で安定するようになったけれど、ぶり返させてしまったことが大きな反省点となり、半ばトラウマになってしまった
この痛みを伴う教訓により、もっと慎重に、十二分に元気ありあまるほどに回復したときにこそ全快なのだとインプットされたばかり

そうなると、予定どおり彼を連れて現地に行くことは難しい
一時は母に子を託して単独日帰りで参ろうと思い立ち、その実現可能性を模索した
けれど、万が一、不在時に容態が悪化したらどうしよう…と思うと心配が尽きず
自分が子どもの立場ならば、具合の悪いときこそそばにいてもらいたいなと思うよなぁという観点もよぎり
断腸の想いで、在店を見送ることにした

これまでご夫妻とともに築き上げてきたのだから、仕上げまでいっしょに、しっかりと結実させたい
その想いがあまりにも強く、一度自分で決めたことなのにふんぎりがつかずにいた
自分でコントロールできない領域で起こった出来事なので、やり場のない想いが錯綜する
素直に率直に申し上げるならば、悔しくて仕方ない

一方、子に関しても、ふたたび発熱させてしまったのはわたしの落ち度で、しっかりとみてやれなかったことに発端しているから、申し訳なさでいっぱいだ
わたしの判断の誤りによって、苦しい想いをさせてしまったのだからね

こんなふうにお得意の自分責めモードが炸裂してしまい、内なる怒りに憤っていた

それじゃあ、浮かばれない
だから、最低限できたことに目を向けてみることにした

まず、アートブックを選書したというその行為
そして、選んだそれぞれの本に、自分なりの視点から綴ったテキストを添えている
これらにはすでに、わたしなりのやり方でエネルギーが込められている

本来ならば現地で直接コミュニケーションを図り手渡すのが理想だけれど、たとえ間接的であっても、波長の合う方にはおのずから響くものがあるだろう
本そのものがいだく魅力を、限りなく透明なフィルターとして作用したであろう自分が為したことを、もっと信じてみようと思った

また、岩井夫妻に対してより一層、信頼を預ける好機にもなりうるだろう
彼らのお店にいらしたお客さまになら、きっとよきかたちでバトンが渡る
彼らに委ねて、託してだいじょうぶだ
そう思えることはとても心強い

きっといいめぐりが起こるはず
安心した心地で、いまここから祈りながら過ごしてみよう

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