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tiny peace kitchenの閉店は、「またね」という言葉とともに

先週の金曜日に、tiny peace kitchenの店舗は3年9ヶ月間の幕を閉じました。改めて、tiny peace kitchen代表ともこと店長あこの2名からご挨拶をさせていただきます。

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ついに、本当に閉店をしたんだなと実感がわかないまま、この挨拶を綴っております。

最終週には毎日多くの方がお店に足を運んでくださり、そしてたくさんの言葉をかけていただき、こんなにもtiny peace kitchenは愛され、応援していただいていたんだと、改めて感じさせていただきました。

今振り返ると、tiny peace kitchenの前身となる「まいにち食堂」のスタートから5年間、たくさんの方に応援とご協力をいただき、じわじわと輪が広がっていったことを実感します。

「都会で働く人を心身ともに健康にして、やさしさでつながっていけるような輪を作っていきたい」という妄想を1人で始めて、たくさんの人に思いを語っていく中で、ある人は応援者になってくださり、ある人は一緒に挑戦をするメンバー・パートナーになってくださり。お店の幕を閉じる頃には、思いに共感をしてくださる方々との大きな船が出来上がっていた、という感じでした。

実はこの5年間、走り続けている中では、このように感じる瞬間はあまり多くなかったことに気が付きました。応援してくださる方々に対する感謝をいただきながらも、「まだまだ何もできていない」「大して誰も幸せにできていない」「このままじゃダメだ」と悔しい気持ちを持っていた時間の方が長かった気がします。理想が高いがゆえに、現状にはなかなか丸ができない。「もっとお客さんに価値を提供できるはず」「もっとパートナーさんに面白い提案ができるはず」「もっとメンバーに楽しく働いてもらえるはず」というような考えが、常に頭の中にあり続けていました。

そして、この半年間お店の今後について散々悩み、閉店を決断してからの数ヶ月間は悔しさがあまりにも大きく込み上げてきていて、今ここにすでにあるものに目を向ける余裕を持てていなかったことも、こうして立ち止まってみて初めて感じるようになりました。

閉店について告知してから、tiny peace kitchenに対する思いを店頭で伝えてくださったり、ブログやラジオで思いを届けてくださったり、イベントを計画してくださったり・・・。こんなにたくさんの方々が、tiny peace kitchenを大切に思ってくれていたんだ・・、と正直驚きました。「まだまだ何もできていない」と感じていたのがバカバカしくなるぐらい、たくさんの方とのご縁に恵まれていたことに気づかされ、悔しさに覆われていた気持ちが少しずつほぐれていきました。

不思議なほどに「さようなら」ではなく「またね」という言葉にあふれた最終日でした。これからのtiny peace kitchenの挑戦を楽しみにしてくださっている方々いることが、また新たな歩みを進めていく励みになります。しばらく店舗では会えなくなりますが、これからも思いは変わらずです。皆様にとって楽しみになるような、癒しになるような、新たな発見になるようなことをこれからもお届けしていきたいと思います。形は変わりますが、今後ともよろしくお願いしますという言葉をお伝えしたいです。

今まで、5年間、本当に本当にありがとうございました。

tiny peace kitchen代表
荒井 智子

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3年9ヶ月間、tiny peace kitchenをご愛顧いただきありがとうございました!

2017年2月、お店をオープンしました。

オープンするまでには、まっさらな所から図面に線を引いたり、必要なものを買い揃えたり、仲間を集めたり、試作をしたり・・・。はじめてのことで分からないだらけでしたが、いろんな人に教えていただきながら、なんとかオープンした日のこと、今でも鮮明に覚えています。

最初は食材の調達もままならず、毎度スーパーに買い出しへ。メニューも今日明日のメニューを考えるだけで精一杯でしたが、計画なくして何もできないことを痛感し、1週間先のメニューを決めるようになったり、業者さんを手配するようになったり。今となっては当たり前のことも、すべて「やってみて分かったこと」。たくさんの経験をさせてもらいました。

お店を始めた頃は、まさに”産声を上げた”という表現がぴったりで、もう毎日がカイゼンの繰り返しで、正直、お客様のお顔を覚える余裕もないぐらい、メンバーと常に「あれどうしよう、これどうしよう」と話をしていました。今となっては笑い話で、立ち上げメンバーとは話題に事欠かないほど、いろんなことが決まってない中で、日々走り続けていました。

それから1年、2年、3年と多くのお客様に支えていただきました。いろんな方のお顔が思い浮かびます。1日として同じ日はなかったけれど、日々が積み重なってtiny peace kitchenが彩り豊かになっていきました。
もっとも印象的なことはと聞かれたら、忘れられない”瞬間”というよりも、”あり続けられたこと”だなぁと思っています。みなさまの日常の中にtiny peace kitchenを取り入れていただけていたのではないかということ。
お店に来てくださるお客様を見ながら、心の中で、いつもいろんなことを思っていました。その時間が私は好きでした。

いつも決まった時間に来てくださる方。
[ 今日もお元気そうで、よかった^^ ]
お仕事が立て込んでそうなご様子で、急いでお弁当を買って帰る方。
[ 急いでいるのに、わざわざ来てくださってありがとうございます!]
召し上がったあと、窓の外の空や草木をぼんやり眺める方。
[ 今だけでも肩の力、抜いてくださいね ]
お仲間と一緒に、談笑を楽しみながら召し上がる方。
[ その笑顔で午後のお仕事もがんばってください!]
今日はお休みだからと遠くから来ていただく方。
[ 電車何本乗ったんですか?わざわざ来ていただいてうれしいなぁ ]

みなさんそれぞれの日常に、それぞれの形でtiny peace kitchenを取り入れてくださったこと、それだけでものすごく尊いと思っています。感謝の気持ちでいっぱいです!!

みなさまからいただいた、たくさんの想いと笑顔と応援を、新たな形で歩むこれからのtiny peace kitchenへも繋げていきたいと思っています。本当に、本当に、ありがとうございました!

また、会う日まで。

tiny peace kitchen店長
樗木 亜子

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