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正社員になるまでのプロセス

Boyaです!

先週ご報告した通り、今月より正職員として新たなスタートを切りました。

障がい者雇用として約3.5年かけました。

一般的な求人票などを見ると概ね2年程度で「正社員登用あり」という記述を見ます。

なぜ、そんなにかかったのか、会社はどういうポイントを見ていたのか、僕自身は何を意識して就労していたのかなど、僕から見えていた範囲でお伝えしたいなと思います。

それでは行ってみましょう!

なぜ3年半もかかったのか

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3年かかったのは弊社が昔から障がい者雇用に取り組んできて、統計的に3年継続して安定就労できる人材は本当意味で安定しているという経験則が根拠だったということです。

そのため、法律などで定めているわけではないため、会社によっては2年で正社員化することができるところもあるようです。

弊社の3年の根拠としてざっくり説明すると、、、、
1年目: 会社の場所や人間に慣れる
2年目: 仕事に慣れていく
3年目: 就労安定性と評価に対するストレス耐性をチェック
という意図があり、3年間(3サイクル)通して様子を見られていました。

当然、業務に対する評価も多少はあったと思いますが、表面的には業務に関する評価はされず、どんなにパフォーマンスを出そうが短縮されることはありませんでした。

そういった意味では、僕はハイパフォーマーでも、例外対応されたわけでもなく、一般の規約に則って正職員化したと言えます。

少し特色があったとしたら、僕が入社当初は正職員化するキャリアパスはありませんでした。

2年前から正職員化するにはどうしたらよいかを人事と相談し始めて、会社としてそういったキャリアパスも新設する意思があることを聞きました。

満2年になる頃に障がい者雇用スタッフの正職員化について説明があり、そのプログラムに参加する意思表明をしました。

正社員化までの流れ

先ほど若干1年目~3年目までの概要を説明したが、もう少し細かく補足していきます。

■1年目のポイント
 |・通勤・出社の安定性
 |・業務に対するストレスや焦りなどをチェック
 |・同僚や上司とのコミュニケーション
 |・無理をしないかどうか(これがかなり重要)
 |・社内支援者との月一回の面談
 |(この支援者を通して人事や現場に要望を上げられる)
 |・定期社外定着支援者との面談
V
■2年目のポイント
 |・前年と同様に安定就労の継続性をチェック
 |・組織全体の変化に対応できるか

■3年目のポイント
 |・評価制度に対するプレッシャーへの耐性チェック
 |(「お試し」で目標を設定して評価プロセスを実施)
 |・上司との隔週での面談(業務報告や相談、雑談などを行う)
 |・継続力のある安定感と業務や評価に対する焦りなどがないかチェック
V
■評価フィードバック(満3年と半年)
 |・1年の評価期間を終えて上司より評価のフィードバック
 |・会社全体の評価検討期間が1か月あり
 |・CHRO(人事のトップ)との正社員化に面談(待遇や人事制度の説明)
V
■正職員化

会社が評価期間中に見ていたポイント

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ここはあくまで僕から見た視点での個人的な推測が混ざっていることをご了承ください。
(評価項目について特に会社から公開されておりませんでした)

■就労に関する安定感
一番のポイントは安定感です。障がい者雇用で最も企業にとって怖いのはいきなり出社できなくなることです。
特に休みが長期化しないように慎重になっています。
単純に労働力がなくなってしまうからというよりは、「休職者を出してしまった」というブランディングに対する危機感の方が強いのかなと個人的には感じました。
当然、会社規模や文化によって大きく異なるため、一概には言えません。しかし、共通して長期休暇をさせないようにどの企業も労働環境を整備していると思います。
まず、正社員化するための必要最低限の評価は就労安定感だと思います。

■現場のコミュニケーション力
現場におけるコミュニケーション力もしっかりと見られていたのではないかと思います。
それは普段の同僚(同じチームの正職員や同じ障がい者雇用の方々)や上長とのコミュニケーションが円滑に取れているか。
最低限業務を全うするうえで必要なコミュニケーションは取れている必要があると思います。
誰に対しても良い印象を持たれている必要はないと思いますが、仕事を依頼しやすい雰囲気を身につけている必要はあると思います。
僕は普段から積極的に雑談したり、飲み会を企画開催したりしていました。その結果、僕自身が会話することに対して楽しむことができたため、仕事中のヒアリングや提案なども楽しい雰囲気でできました。
当然、相手は気を使ってくれていることや、僕自身も状況を見て会話してよいかどうかを観察しながら声掛けするなど気を使っていました。
お互いに思いやる環境だったからこそ、主体的に会話していくことで職場での関係性を深めていくことができたと思います。
無理に飲み会を企画したりする必要はありません。ご自身が楽しく過ごしやすい環境を思いやりを持って作ってみることをお勧めします。
人によっては会話すること自体が苦手、特に他人のネガティブ発言などを聞くと反応してしまう方も少なくないと思います。
同僚や上長にそんな方がいらっしゃったら、一定の距離感や頻度で付き合っていった方が良いのかもしれません。業務をする上で必要最低限の会話をして、業務をしっかりする方向の方が楽に過ごせるかもしれません。
決して無理してコミュニケーションするのではなく、無理して働かないようにするためにコミュニケーションを最小化することも大切だと思います。
自分が職場で楽しく過ごすためにどのように対策していくかは人それぞれになってしまいますが、絶対に無理しないようにしてください。

■客観視ができているか
これは仕事に限らず生きていくうえで必要なテクニックだと僕は思います。
物事を俯瞰して観察してみる。客観視した立場で自分自身を語れるか。仕事をする上では、間違いなく要求される視点だと思います。極端な例ですが、仕事の状況報告をする場面で自分の感情ばかりを表現していると報告を受けた人はどう判断したらわからなかったりします。これは仕事に限らず、第三者に自分の心の状況を説明するときにも同じで、「ただ悲しい」「ただムカツク」という主観的な情報しか与えないと、落ち込んだ時の状況下に何が起きたのか、どんな心理状態だったのかなどを分析することが難しいです。
労働環境を改善したいと考えている企業側が「会社として何ができるか」「合理的配慮をどのように実施すればよいか」などを前向きに考える場合、どうしても落ち込むトリガーを回避するために必要な客観的な情報を必要としています。
要望を挙げていくことは良いことです。それがしっかりと独りよがりな情報ではなく客観的に納得のいく内容であるかどうかを自分でも吟味する必要があるのかなと思います。
僕が所属している会社は月に一回外部協力会社による支援者と面談がありました。僕は自身の目標や公私限らない不安や悩みを相談しました。その際に定量化できることは定量化して報告していました。
例えば、「睡眠の質が2日以上低下させない」という目標を立てていたとしたら、日報に睡眠の質を自ら定義(良・並・悪)づけして記録するようにし、一か月のうちに何回「悪」になったかをカウントする。
そのように定量化しやすい目標設定にしたり、自分の相談する際にも少し他人事のように説明することを意識したりしていました。

■業務遂行の安定感
業務の成果も当然評価に入っていると思いますが、何より重要視しているのは、安定した成果を出せるのかということです。
業務改善などワンランク上の成果を期待するというよりは、一定の成果をコミットメントできるかを見られていると思います。
「このぐらいの仕事だったら期日までにきっちりやってくる」
「この仕事なら安心して任せられる」
などです。

僕自身が意識していたこと

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今の会社に就職活動してた時、僕は正社員登用があるかどうかはあまり意識していませんでした。

理由は正社員登用という記述がある求人が少ないからです。

僕自身が離職期間が6年以上あったので、まずは働きやすい環境に自分が作れるかどうかに注力しました。

入社初年度は自分のスキルをアピールするような行動や焦りもありましたが、何よりも自分の働きやすい環境作りに立ち返るように意識しました。

僕の働きやすい環境とは?
・同僚や上司と雑談なども含めて話しやすい雰囲気
・自分に仕事を任されやすい雰囲気
・仕事で困ったときに相談しやすい雰囲気
・業務時間外でもSNSなどで話しかけやすい雰囲気
・仕事の後に呑みに行きやすい雰囲気
・仕事にやりがいを感じている

「仕事にやりがいを感じている」以外は概ね達成できたと思います。

また、初年度はとにかく会社の制度として用意していた外部協力会社による相談員(社内では指導員)との関係性も深めて、業務以外のプライベートな相談も積極的にするようにしました。

感覚的にはリワークでカウンセラーさんに相談してた時とできるだけ同じレベルで会話していきました。

それだけ、相手を信頼しつつ会話してもよいレベルを探りながら関係性を深めていきました。

2年目以降についても上記のことは意識し続けて、他部署の方とも信頼関係を結べるようなコミュニケーションや仕事の進め方をしていきました。

僕の場合、2年目以降から入籍や結婚式の準備が入り、プライベートにおけるプレッシャーやストレスが非常に増しました。

現在の妻と本格的に同棲をし始めたため、お金のことや両親のことなど非常に繊細な問題に向き合い、全ての事柄について取り組みました。
出来事の重さで言えば、発症時や離婚時と同レベルのストレスがかかってたと思います。

そのため、2年目は個人的には障がい者雇用で業務的な負荷が一定であったことは非常に助かりました。

とはいえ、2年目となると色々と新しい案件やプロジェクトに参加することもあり、組織が大幅に変更されて上司や同僚たちも今まで違った状況に戸惑いながらだったため、仕事も大変でした。

2年目は公私ともに非常に大変でしたが、就労は安定しておりました。

恐らく誰よりも健康面も精神面も安定してたと自負しています。

そして、満1年が過ぎた頃から、正職員化(一般の評価軸に乗せた雇用形態)に移してもらうことを提案してきました。

提案当時はそのようなキャリアパスが存在しておらず、構想としては
「そのようなキャリアパスも用意したい。とりあえず、まずは3年安定就労の実績を積んでほしい」
と回答されていました。

正直3年待つのは非常に抵抗がありました。

昨今の1年は非常に時間の進みが早いため、1年の重みが従来と異なります。

既に40歳の僕に3年も時間を無駄にしてよいのかは死活問題でした。

しかし、僕が失った社会的信用は恐らく僕が思っている以上に重く6年以上も離職していたことは、たった1年障がい者雇用で安定就労しただけの実績だけでは回復できないことも分かっていました。

会社が言う「3年安定就労できることで希望すれば無期契約に切り替えられる」(この場合は評価制度にのる雇用形態ではない)という制度に対する3年というのは、今現在の世の中の見方がそうであるということです。

僕はこの見方が今の時間の進みと、うつ病に対して社会から一旦離脱した方への認知が変化して、「3年では長すぎる」と判断して1~2年で切り替えられるように変化してほしいと願います。

そのためには社会復帰へのプログラムがもっと精度を高めてよりコミットメントのある人材を輩出できる仕組みを作らなければならないと思っています。

僕はその仕組み作りをしていきたいと思っています。

3年目に入ってからは正職員化の話が具体的になり、1年の評価期間を設けてマネージャと一緒に設定した目標の進捗具合を定期的に話し合っていきました。

MTGのファシリテーションなど普段正職員が行うような業務も入ってきて、いろいろ相談しながらも一人で業務をこなしていけるようになりました。

安定就労だけでなく、主体的な提案もより心がけるようにしていきました。

また、それまで外部協力会社の指導員にプライベートな相談などをしていましたが、この年から徐々に上司(マネージャー)に打ち明けるようにしていきました。

正職員になって今までの相談先がなくなってから突然上司に相談し始めるよりは徐々に関係性を深めて、正職員になったら移行が完了している状態にした方が良いと判断したからです。

ここで、相談するということで僕が意識しているポイントについて紹介します。

僕は相談するということについては以下のことを念頭においています。
・解決策を生み出すのは自分である
・解決策を実施するのは自分である
・相談に乗ってくれている人は参考情報をくれるだけである
・僕は相談事を吐き出すことで情報整理をしている
・よって相手が回答に困る相談の仕方はしない

これは心理カウンセラーと相談するようになってから意識するようになりました。

誰に相談しても相手は解決策を提案できません。

よほど定型化された業務じゃない限りは自分に最適な解決策を他人が提案するのは難しいと思います。

状況を伝えるにしても自分が言語化する時点でズレが必ず生じます。

そのため、誰に相談しても解決策を期待せずに、自己整理や参考情報を聞くだけという意識でいるようにしました。

そう考えると、上司に相談するのも、外部協力会社の方に相談することもあまり変わりません。

当然、普段仕事を一緒にしている上司には直接言えない悩み事があるということは往々にしてあります。その場合、別な相談先を見つければよいのです。

僕の場合は、仕事の悩みよりはプライベートの悩みの方が大きいため、
「自分が何に悩んで調子が良くないのか」
「似たような立場の場合、あなたならどうするのか」
など、現在の自分の状況を客観的に伝えることと、自己整理、参考情報を聞くようにしていました。

なんでもかんでも話をするというよりは、関係性を深めてお互いに安心・安全でいられるように努めました。

そういったこと意識や取り組みによって信頼関係を構築することができ、上司は僕が正職員化することに対して何の疑いを持たずに積極的に協力してくれました。

評価期間が過ぎて次はどういったプロセスで正職員化するのか不明な期間が2か月ほどありました。

新しい人事制度を開設するために、上司を含め人事でも手探り状態のため、なかなか情報が落ちてきませんでした。

上司も状況がわからないながらも積極的に人事にアプローチをしてくださり、非常に僕にとって心強かったです。

上司は「絶対に正職員になれる」とは一言も言わなかったですが、積極的に状況確認を人事にしてくれている姿は安心感がありました。

自分がどんな状態であったとしても、他人と関わる以上は信頼関係を意識して人間関係を構築しないと自分にとって過ごしやすい環境は作れないと思います。

僕がまだリワークに行く前のように、いつまでも被害者意識を持ち続けて、言い訳に満ちた考えでいたら信頼関係を構築するはできなかったでしょう。

どうしてもネガティブ思考が強いときは被害者意識が強くなります。
「だって~」「でも~」「これは権利なんだ」のような言葉で武装しようとします。

そういったネガティブ思考に陥らないためにもまず身体的な健康を確保して、「脳が勝手にネガティブにならない」ようにする日々を意識する。

次に自分の思考が極端に
「完璧主義」
「一般化のしすぎ」
「ネガティブな出来事を自分に関係づけしすぎ」
「物事を歪んでみる」
「客観視できない」
などになっていないかを見直して精神科なりカウンセラーなりに客観的な評価をしてもらうことをお勧めします。

しっかりと自分の思考の癖を把握することによって自分なりの生きやすさを自分で作り出すことができるようになるのでご自身を内観してみてください。

この記事を読んでくれた方々が生きやすい環境を作り出せることを切に願います。

今回の記事がいいなと思った方は励みになりますので「スキ」をよろしくお願い致します。僕の経験にも基づいた社会復帰、自己啓発、健康などのトピックについて記事を投稿しています。ご興味のある方はぜひフォローしていただけると幸いです。今回もご清覧いただき誠にありがとうございました。


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