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とある元メイド喫茶常連の忘備録<その29>

※この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

尾崎氏は某SNSで退店した元まりさメイドと関わっていた。
「まりさちゃんに悩み相談したんですよ」
と聞かされた。店を辞めても真摯に客と向き合うという素晴らしい子だった。
自分も「尾崎君の相談に乗ってく入れてありがとう」とまりさにメッセージを送った。尾崎氏考えてこんでしまう癖があり誰かが話を聞く等の力になる必要があった。

尾崎氏は元まりさメイドと今でも関りがあることを某SNSに友人限定公開で日記に書いた。友人限定なら大丈夫だろうと誰もが高を括っていた。今思うと甘かった。

ほどなくして尾崎氏の日記は某巨大掲示板の店のスレッドにスクショした画像をアップロードしたURLが書き込まれた。いまだかつてない程のスピードで書き込みがなされた。

「やっちまったな」
そう思った。尾崎氏の信用は地に落ちた。もう店に下げていく面がない。
いくら店を卒業した元メイドであっても、関りがあるなどと口外するべきではない。口が軽すぎる。
そんなことを考えているうちに尾崎氏から某SNSのメッセージが送信されてきた。恐らく今回の失態に関する相談だろう。話ぐらいは聞いて、尻はしっかり自分で拭うように促そうと考えていた。

しかしメッセージの内容はあまりにも的外れで、かつ今回の失態に関して他人事な内容だったので脳がインプットを拒否してしまい忘れてしまった。当該のメッセージは消してしまっていたので定かではないが「用があるならまずそっちから電話してこい」と送った記憶がある。「そんなひどいことを何故言うんですか」と返されたが……ようは電話でやりたくない、討論のテク諸々鑑みたら自分が圧倒出来るからだ。尾崎氏と自分は三歳しか違わないが、自分との精神性の成熟度の差はかなりあり。大人と子供ぐらいの差があった。

そもそも加害者だという意識がゼロ。本来なら被害側の要求はある程度は飲むだろう。理由も聞かず「ありえないっすねそんなひどい言い方」で拒否とか自分の立場をわかってない。そもそもの考えが違いすぎると感じた。

そうこうしてるうちに尾崎氏とのやりとりと並行して江川氏が国領氏グループの浅田氏、城田氏に「諸星と尾崎、付き合うのは片方にして欲しい。どっちか選んでもらう」という脅しをかけていたということが国領氏グループの浅田氏、城田氏の証言で判明した。自分を孤立させる気だろう。お茶の水の楽器店のバイトに落ちた時、叱咤激励したことは忘れたのだろうか。後に「あの程度で恩だのなんだの言うのはイカれてる」と方々で叫んでいたという自分が恩知らずと周りに愚痴っていたことも江川氏にはバレていた。ユダ、多すぎじゃないか?

というのも尾崎氏と江川氏が結託し「某巨大掲示板で尾崎氏の日記を書き込んだのは諸星」だということを印象付ける言動行動を積極的にしていた。自分の過ちを棚に上げ「あいつが犯人だ」ということを積極的に吹聴し、自分も被害者なんだと主張し、周りの視点をずらす為であることにほぼ間違いはなかった。恐ろしいことに何の証拠もなく本来なら誰も信じないことだが、皆諸星がやったことで間違いない。これで丸く収めようとしていた。一応の下手人を立てる。って事か? シグルイじゃないんだぞ……そんなこと誰も信じないだろう。放置が最善だ。しかし自分の運命は思わぬ方向に舵を切り始めた。

<つづく>

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