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とある元メイド喫茶常連の忘備録<その32>

※この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

尾崎氏の軽率な行動が引き金となった騒動から三か月ほどが経ったある日、再就職をして、新しい仕事にも慣れてきた頃、ぴんくメイドの卒業が発表された。ぴんくメイドは看板メイド筆頭と言ってもいいほどの人気でテレビ番組にもたびたび出演した。店の顔であると言ってもいい。卒業までは2週間ある。シフトを公開しほぼ毎日出勤し、常連と名残を惜しむそうだ。ほどなくして某巨大掲示板の店のスレッドにとある書き込みがされた。ぴんくメイドの元彼氏と名乗る男の書き込みだ。元彼氏と名乗る男はぴんくメイドの事を散々悪く書き殴っていた。

「男の相手がメインの仕事など、俺という存在がいながらどういうつもりなんだ」

これが元彼氏の言い分である。スレッドの住人がなだめようとする中、尾崎氏であろう人物とその友人が固定ハンドルネームで登場し、元彼氏と名乗る男を挑発した。元彼氏は逆上し、ぴんくメイドと一緒に撮影したプリクラの写真をアップローダに投下。そのアドレスを書き込んだ。どう見てもぴんくメイド本人だった。それまでなだめていた人も書き込みをやめ、元彼氏は罵詈雑言を5回ほど書き込んで去っていった。器の小さい男だった。

この事件が発生した翌日、ぴんくメイドは数日欠勤をした、無理もないだろう。某巨大掲示板では尾崎氏であろう人物への批判や叱責があとを絶たなかったが尾崎氏であろう人物は

「挑発ではなく、なだめる為にあえて強い言葉を使った」
などと言い訳三昧。ここまで堕ちたのかと・・・

この一件で尾崎氏とその周りは大騒ぎになり某SNSの日記の返信で大激論になったらしい。直接会って討論しろよ・・・と思いつつ、自分は三か月前の元まりさメイドとのやりとりを晒された時に巻き込まれたこともあり、参戦すると話がややこしくなると思った。尾崎氏に関しては僕は降ります。面倒見切れません、いう事はありませんと二回だけ書いて尾崎氏に対してほぼ沈黙した。

後に戸松氏から「ぴんくちゃんが卒業前に公開してたシフトが減ったのも、自称元彼氏の降臨が原因かどうかわからない・・・それは理解できるが尾崎が書き込こまなくてもああなっていたとかメイドは許してくれた、店にまた来て欲しいと言われた。尾崎の仲間、本人もそればっか盾にして、何がどう悪かったのか、何を直せばいいとかそういう建設的な意見はなし。尾崎から説明はなし。話にならないよ。ただ反省します一から出直しますだけ。グダグダよ」

このようなやりとりしかされてなかったらしい。話にならない。

この一件で浅田氏を間に入れていた某SNS日記での話し合いは自然消滅した。浅田氏曰く
「ちょっと関われない人になっちゃったからもうお開きにしよう」
との事。いや、前から関わっちゃいけない奴だった気がするが・・・?
そもそも途中からどうでもよかっただろ・・・
程なくして国領氏から「浅田と城田からは縁を切った方がいい」
と携帯メールが届いた。
浅田氏はいい加減だし、城田は生きがいである店でゴタゴタが起きすぎて
鬱っぽくなってしまっているとのこと。

数日後、尾崎氏からぴんくメイドの一件について、言い訳の某SNSメッセージが飛んできた。自分、関係ないんだが?何故巻き込もうとするんだ?恐らく自分が強い言葉を使ってきた際は「首を突っ込んできた」などと揚げ足を取るつもりなんだろう。ブログに謝罪文を載せたので見てほしいなどと書いていたが、そもそも無関係なので見ないことにした。そもそもまりさメイドの一件で目の前で頭を下げることだけ以外は謝罪と認めないということは言ってある。理解してないフリをしているようだが、プライドの高い尾崎氏の事だ、それだけはしたくないんだろう。見え見えだった。

送られてきたメッセージはろくに目を通してないが、「自分がしたことはぴんくさんを守ろうとしてやったことです。でもそれはエゴでした。自分は店やメイドに対してエゴをもってしまった。でもそう思ってしまう事も、きっと悪い事ではないんじゃないか?正しいのか間違ってるのかはわからないけど、少なくとも間違ってはいないんじゃないかと思います。エゴは誰にでもあることですから」

こんな一文があった。ここまで自分を正当化できるのか・・・元彼女に対して怒り狂ってる男にに煽り散らかすとか逆効果。悦に浸ってやった以外にありえない。

尾崎氏とのやりとりで自分のメイド喫茶通いモチベはすっかりすり減ってしまっていた。

<もうちょっとだけつづくんじゃよ>

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