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ナンパされた話

昔、ナンパされた時のことを唐突に思い出したのでちょっとだけ書いてみます。
当時気にっていた赤いコートを着ていたので、寒い時期だったはず。
地下鉄の広尾駅から西麻布の交差点に向かって歩いていた時のこと。
道路脇に停まっている車から一人の男性が降りてきて私に話かけてきた。
車の中から私が見えて追いかけてきたという。
「今の逃したらもう会えないと思って」と言った。
それはそうかもしれない。正しい。

私は人と待ち合わせして店に向かう途中だったので歩きながら受け答えをしていたような記憶。
携帯(当時はスマホではなくガラケー)の画質のあまりよくない写真を私に見せながら彼は言った。「家を建てたんです」
そこには小さい一軒家の写真。「この近くなんです」
「え、この辺りに家を建てたんですか?すごいですね!」
歩きながら答えた。だって「この近く」=西麻布界隈ということになる。
小さいとは言え、そんな場所に一軒家を建てることができる財力は並大抵ではないはずだ。そしてこの短時間で彼がアピールできる最大のポイントであったのも確か。最後に紙に名前と連絡先を書いて渡してくれた。こちらの連絡先を聞き出そうとしなかったところは紳士で良かった。

待ち合わせ場所について待ち合わせた人に会って、今起こったことを話した。
一通り話を聞いた後彼は「その人に付いて行かなくてよかった」と言った。
「約束しているのに別の人に付いて行ったりしないです!」と言ったけれど、そんな話だけで付いていっちゃう人っているのかな?
書いて渡してくれた連絡先はすぐに捨ててしまったし、今となっては顔も名前も思い出せないけれど、「今の逃したらもう会えないと思って」と言って話しかけれくれた言葉と行動力だけは今も覚えている。


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