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本の感想「バッタを倒すぜアフリカで」

はじめに

前作読んでいたのでもちろん今作も楽しみにしてました。
前作

前作動画にしていませんが、お勧めされて読みました。
著者が作中で書いている右利き蛇仮説も読んでます。

やはり生き物好きの定めか、こういう研究内容入ってるのすごく好きです。
前作は研究内容に対しては伏せられており、今回論文発表を経て満を持しての公開されました。

総評

非常に面白いです。
おすすめです。
研究内容とか難しそうって言う気持ちはなしでOK。
前作同様、そもそもの読み物として面白く書かれています。
研究をするための苦労、泥臭く実直に難問に体当りしてる姿そのものが描かれているので、お話として面白い!
時折お世話になってる人の話とか脱線もいいスパイスです。
でも、ちゃんと今回のメイン、研究内容はわかりやすく書かれている。
定説が何で、自分のアプローチが何の役に立つのか、正しくも噛み砕かれて書かれています。
私文系だからって毛嫌いするなかれ。
全ての大学生、特に研究を行う理系学生は読んでおいて損はなし。
おすすめです!!

あらすじ

前作の研修のためモーリタニアに飛び込んで行ったところからスタートします。
フィールドワークをしていく中で、著者はあることに気づきそれが研究テーマになっていきます。
しかし、モーリタニアにいれる期限もあれば研究環境の問題、もちろんコロナもあります。
それを著者がこれまでに築いてきた人脈を武器に、モンゴルにフランスに、それこそ日本も含め飛び回って研究を仕上げていく、リアリティーショー顔負けの人間ドラマが見られます。

よかったところ

  • 読み物としての面白さ

前作同様研究とかそういうのに興味ない人でも普通に読み物として楽しめるのは非常に価値があることだと思います。
これまでこういう研究者の書かれた本を読んできてますが、専門的なものはやっぱりあります。
それが狙いなら別にいいんですが、そうじゃないのに難しくなってるものも。
今回、それが成り立っているのはひとえに著者の人柄とかに大きく起因しているんだと思います。
購入の主目的である研究内容もわかりやすく書かれている。
読者が正しい理解をするように、それでいてわかりやすくっていう部分に力が入ってますし、それは著者が前作が売れたことでの広報活動を通してより磨かれてきた部分だと思います。
事実と気持ちのバランスが、さらに面白さをUPさせてました。

  • 研究活動とは?

研究ってどういうものなのか、何が大切かが詰まってると思います。
自分もサラリーマンとはいえエンジニア職やってるんで、現物主義的な部分が非常に強くて、今回の著者の現場現物主義、いわるゆフィールドワークを重視した泥臭く向き合う様っていうのは痛いほどよく分かります。
自身の学生時代の研究活動もテーマは教授から与えられたものだったとはいえ、それに対して挑んでいく様相っていうのは同じでした。
理系大学生は是非読むべき本だと思います。
もちろん高校生でもいいですけど。

いまいちだったところ

  • 夢との付き合い方

本編にも夢について話す部分がありますが、もっと切り込んで思いを感じたかったです。
著者は本当に特殊な経歴、かつ自身の夢をキレイに実現した希少な例だと思います。
こうやってサラリーマンをだらだらやってると、それは本当にまばゆくて、キレイです。
夢はなくなってないけど、捨ててしまったものももちろんあって・・・・・・
隣の芝は青く見えるもんで、それを手に入れられた人の活力、熱い思いをもっと堪能したかったです。
こういう人たちの本を読むもう一つの理由はそういう活力の搾取が目的になってますね。
前作も結構書いてありましたが、改めて研究成果として目に見える形で実現したことを受けて、夢に向かうこと、それに向かう情熱の塊を感じたかったです。
著者は特に話も面白いし、困難の厚みも強烈なので。

感想を書いた本

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