萌木さな

宮沢賢治、中原中也が好きです。

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最近の記事

【詩】ラビリンス

「ラビリンス」 疲れてベッドに倒れ込むと 眠りへと誘われる (招待状はお持ちですか?) 正装した白ウサギが夢の案内人 浅い意識の中で 様々の情景が浮かんでは消えてゆく 何の脈絡もなく 私は白ウサギを見失って 迷子になって夢の中を彷徨っている

    • 【詩】夕凪

      「夕凪」 大きな夕陽が海に沈む オレンジ色に染めながら 波は静まり水面が輝き 砂浜には長い影 記憶の箱に今日を片付け ゆっくり歩いて家に帰ろう 一番星が煌めく前に

      • 【詩】紅茶

        「紅茶」 一仕事終えたら 紅茶を飲みましょう 一つまみの塩を入れて 塩は紅茶の苦みを消して まろやかな味にしてくれます 一仕事終えたら 紅茶を飲みましょう 一つまみの塩を入れて 果物を添えれば 爽やかな風を感じるでしょう 一仕事終えたら 紅茶を飲みましょう 一つまみの塩を入れて 香りが疲れを癒やしてくれます 一度、手を止めて紅茶はいかが?

        • 【詩】子供の日

          「子供の日」 鯉のぼりが空を泳ぐ 風に流されて 幼い子の成長を願って 大小様々、色とりどり 一列に並んで 目を丸くして キラリと光る太陽の下 連休中の賑やかな公園で

        【詩】ラビリンス

          【詩】晴天

          「晴天」 間抜けなほど晴れた日に 洗濯物を干していると 用水路に沿った側溝から 栗色のイタチが出てきた イタチは慌てた様子で 道路を横切って近づいて来たが すぐに向きを変えて引き返し また側溝に入っていった 何がしたかったのだろう

          【詩】晴天

          【詩】秘密

          「秘密」 夜更けの森 月明かりが湖に揺れる 動き出す小動物達 山猫が笑う 枝に爪を立てて掴まっている フクロウ 丸い目を見開いて 首をクルッと回し様子を伺う カサカサと雑草の音 タヌキがエサを探している モモンガが木から木へと 四肢を広げて滑空する カラスウリが咲いて 甘い匂いを漂わせていた

          【詩】秘密

          【詩】過去

          「過去」 古びた家に 向日葵の絵 荒廃した村 人影はない ギシギシと音を立てる 外れかけた扉 焼け焦げたカーテン 風に舞う砂埃

          【詩】過去

          【詩】泥水

          「泥水」 泥水に落ちたように 視界が濁ってゆく 光が遠ざかり どんどん暗くなる (心は自分の中にある) (周りを見渡してはいけない) そうだ このまま沈んでしまおう 深く深く 光の届かない場所まで そうすれば もう、何も見なくていい

          【詩】泥水

          【詩】醜いアヒル

          「醜いアヒル」 理解されずに辛いのは 相手がいるから 伝わらなくて苦しいのは 集団でいるから いっそ、 人間なんて下等生物だと 地球外生命体にでもなってしまえば 楽になるのかもしれない 醜いアヒルの子が 白鳥だったように 寂莫の中で つまらない蜃気楼を見る 醜いアヒルの子は 醜いアヒルになった 辺り一面に何も見えなくても 心の中には仲間がいる事を 忘れてはいけない

          【詩】醜いアヒル

          【詩】サヨナラ

          「サヨナラ」 或る日、突然 私を理解してくれる人は誰もいない という孤独に襲われ 夜中に酷く泣いた 今でも、時々 同じ様な孤独に 胸を痛める時がある 寂しい 音もなく乾いた風が吹く 白骨化する自愛 遠ざかっていく人影 ただ、受け入れるしかない サヨナラ

          【詩】サヨナラ

          【詩】老眼

          「老眼」 近くのものが見えなくなる 老いるとは そういうことなのかもしれない やたらに 遠い過去の事を思い出して 感傷に浸る 枯れていく花から 目をそらすように 雑踏に 足が衰えて着いて行けなくなる 独り 夕陽に照らされて ポツポツと歩く

          【詩】老眼

          【詩】詩の定義

          「詩の定義」 抽象的なイメージではなく はっきりと伝えたい 今は そんな気分 すぐに飽きてしまうだろうけど 詩というものに 抗いたいのかもしれない もがいてあがいて その先に何もなかったとしても 全ては終わるのだから いずれは消え去るのだから 好きなように歌おう

          【詩】詩の定義

          【詩】約束

          「約束」 綺麗事を書きましょう 肉体の苦しみは一旦忘れて それが文芸というものです ここは避難所 あなたを怖がらせる鬼は ここにはいません 優しく風が吹いて 草花を揺らし 小川からは せせらぎが聞こえます 木漏れ陽が差し込み 陽だまりに蝶が舞う 空は青く高く 澄み渡っています 小鳥のさえずりと 爽やかな樹木の香り 岩には苔が映え 透き通った雫を湛えています あなたが苦しい時や辛い時 全身から涙や叫び声が放たれる時 ここに再び帰って来てください 私と約束をしましょう

          【詩】約束

          【詩】言葉と文芸

          「言葉と文芸」 言葉に壁があったとしても 文芸に壁はないと アルチュール・ランボーの翻訳を読んで 確信しました どんなに多言語を話せたところで 言葉に心が込もっていなければ 誰の心にも届かないでしょう 例え拙い言葉づかいでも 心が込もっているのなら 必ず誰かの心に届きます 文芸にとって 言葉は道具に過ぎません 心と心が出会う場所 そこに詩が宿るのです

          【詩】言葉と文芸

          【詩】鬼ごっこ

          「鬼ごっこ」 朝8時までに出社 のために 押し込まれる満員電車 ラインに流れる製品に追われ 機械に巻き込まれて亡くなった労働者 時間に人間に機械に追われ 逃げ回るストレス社会 病気になり障害を負い死亡するまで 終わりの無い鬼ごっこ

          【詩】鬼ごっこ

          【詩】ココロ

          「ココロ」 私達は それぞれが自分の夢の中に生きているので なかなか出会う事がありません お互いに向き合っていても 別の場所にいるのです だから心が大事です ココロはココノトコロ この場所という意味です 私は あなたを待っています いつでも この場所で

          【詩】ココロ