萌木さな

宮沢賢治、中原中也が好きです。

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宮沢賢治、中原中也が好きです。

最近の記事

【詩】鬼火

「鬼火」 勝手に終わらせないでくれ まだ、何もしてない 魂が燃え尽きるまで 伝えさせてくれ 私の知り得た全てを 役に立つか分からないけど 役に立つかもしれないから 言葉にさせて欲しい これが最後の願いだから

    • 【詩】孤独死

      「孤独死」 夜、街灯に集まる ユスリカの群れ 誰もいない公園 チェーンのかかった駐車場 信号は点滅したまま 寂しさを抱えたまま 死んだ者の魂は ユスリカになって 夜、街灯に集まる 寂しさを抱えたまま

      • 【詩】競争社会

        「競争社会」 人間は 芸当のできる猿 に過ぎない 絶望を笑うな

        • 【詩】シャボン玉

          「シャボン玉」 シャボン玉を作って 虹色の夢を見ている 空に舞い上がって シャボン玉が弾ける いつの日にか 弾けずに どこまでもどこまでも 風に乗って空高く運ばれていく シャボン玉が見たい

        【詩】鬼火

          【詩】裸眼

          「裸眼」 近視で 時計の針も しっかり見えないのに 遠い国の事を考えている (地球が半分に割れればいい) 詩の一節が浮かんでは消える 毎朝、飲んでいるコーヒーはコロンビア産で 奴隷として連れ出されたアフリカ系の子孫が 不便な暮らしの中で育てた豆が原料だ 彼らはアフリカに帰りたがっていた ユダヤ系のように 奴隷か迫害か戦争の 何れかを選べと言われたら 迷わず戦争を選ぶだろう 生きる事が死ぬ事より辛い時がある 私が悠長にコーヒーを飲む時 遠い国の誰かが犠牲になって

          【詩】裸眼

          【詩】雨天

          「雨天」 雨降る空に 扉が開く 新しい時代の 光が漏れる ついに科学は 全てを解決できなかった 雨は夜まで 降り続くだろう

          【詩】雨天

          【詩】移ろい

          「移ろい」 朝、起きたら真っ暗だった 雨が降っていた 細く柔らかい水の音 すぐに止んだ ゴミ捨てに外に出ると   (朝、起きたら真っ暗だった) アスファルトが湿っていた   (雨が降っていた) 空は疎らに晴れていて   (細く柔らかい水の音) 光が差し込んでいた   (すぐに止んだ) 洗濯物を干す頃には   (ゴミ捨てに外に出ると)       [朝、起きたら真っ暗だった] 空は晴れわたっていた   (アスファルトが湿っていた)       [雨が降っていた] 車椅子に

          【詩】移ろい

          【詩】名月記

          「名月記」 ロシアを相手に戦っている ウクライナの様子を見ますと 専守防衛というのが いかに難しいか考えさせられます ウクライナは ついに専守防衛は捨てて ロシアに攻め込みました イスラエルは ハマスやヒズボラの指導者を倒したのに パレスチナに侵攻を続けています パレスチナを掌握するのが目的でしょうか アメリカがアフガニスタンを去った後 再びタリバンが政権を奪取しています 国連軍に事態を収拾する能力はないようです 北朝鮮はロシアに援軍を送り込み 着々と実戦経験を積

          【詩】名月記

          【詩】天命

          「天命」 人を人と思わぬ人を見聞きすると 胸が燃えるような怒りを感じる その炎によって自分さえも 燃やし尽くしてしまいそうなほど 炎は天に達し星が動き 全ての怒りをエネルギーにして 災いが起きるのであろう 主観の前では常識は煙に過ぎない 変に達観して 自然な感情の発露を抑えるくらいなら 私は燃え盛る鬼になる 人は人から人と思われぬ仕打ちを受けた時 燃え盛る鬼になるのだ

          【詩】天命

          【詩】枯れ時

          「枯れ時」 朝の清掃 バッタの死骸 拾ってゴミ袋に入れる タバコの吸い殻のように 少しだけ胸が痛い 草取りをすれば 強い風に煽られて ゴミ袋がたなびく カゼノオトニゾ オドロカレヌル 集めたゴミは ピンクの指定袋へ バッタは火葬になります 過ぎた季節と共に サヨウナラ

          【詩】枯れ時

          【詩】妖怪

          「妖怪」 自由競争の世の中では 誘惑の手が あちらこちらから伸びている 家路に着けば スマートフォンから おびただしい手が湧き出ている 寂しさからフラッとつかまれば たちまち強い力で体ごと飲み込まれ 二度と帰って来ることはできない

          【詩】妖怪

          【詩】幻影

          「幻影」 何の感情も湧いてこないのに 涙が止めどなく流れる絶望の時に 天使を見た 打ちひしがれて抜け殻になっているのに 天使は笑っていた これ以上どうしろと言うのか 全ての希望はついえた 酸素を吸って二酸化炭素を吐くだけの体 どうか幕を下ろしてほしい 願いを聞きいれられる事はなく 天使は消えていた

          【詩】幻影

          【詩】開拓

          「開拓」 科学の先へ まだ見ぬ新時代へ 間違った価値観やルールを変えて 巨大な欲望やエネルギーを捨てて 自然に溶け込み 軽やかに舞え!

          【詩】開拓

          【詩】月光

          「月光」 真夜中の 誰もいなくなった遊園地に 月の光が差す メリーゴーランドの馬 観覧車のゴンドラ ローラーコースターのレール 時々 昼間の喧騒が 薄っすらと浮かび上がる 行き交う人々の笑い声 陽気な音楽と花々の彩り 加速するローラーの音と絶叫 ピエロが売っている風船が 一つ空に舞い上がると 残像は姿を消し 再び 暗闇と静けさに包まれる

          【詩】月光

          【詩】現在地

          「現在地」 不幸という住処に生きて 自由のない生活をしている 遠くの国では 戦争をしている この国の人達も 物価が上がったと騒いでいる 未来は暗雲の予報 衆議院が解散した 選挙には行けそうもない 日曜の午前 買い物帰りに通りかかった公園では 行楽日和で子供達が遊んでいた シャボン玉が飛んでいる

          【詩】現在地

          【詩】夕暮れ

          「夕暮れ」 西日が 眩しいほど部屋に射し込んできて 遮光カーテンを閉めた カラスの鳴き声 憂いはなかった 全ては 物理の法則や自然の掟に従っている 気づかないままに 地球の片隅にある平穏な田舎 足りない物は何もない

          【詩】夕暮れ