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1週間のパリ滞在記 その3

9月22日
この日も朝から雨。
こんなに降るのは珍しいらしい。

昨日の夜、ももさんがアパレイユに浸しておいてくれたパンでフレンチトーストを焼く。
焼いている間に、ももさんがコーヒーを淹れてくれる。
昨日、生で楽しんだ後のいちごをソースにしておいたので(ももさんが)、フレンチトーストにかけたり、ヨーグルトにかけたり。フランスの果物は加熱するとおいしくなるものが多いらしい。
確かにこのいちごのソース、すごくおいしい。
生と火を入れた後の味の変化は、ブルーベリージャムを作るときにいつも考えるのだけど、日本でブルーベリージャムを作ったときに感じるハッとするような味の変化が、このいちごにもあるような気がした。
昨日の朝に食べたカンパーニュと、お昼に食べたバゲットをフレンチトーストにしたのだけど、バゲットはアパレイユに浸ってふるふるに。カンパーニュはわりとしっかりしていて、栗みたいな香りがした。ライ麦の香りかなあ。
朝からしっかり食べて大満足。

歩いて15分くらいのところにある毛糸やさんに向かう。
結構しっかり雨が降っていて、この日もももさんと相合傘。
ちいさな傘にぎゅっと収まっても、濡れるものは濡れる。
あまり傘をささないと聞いていたフランス人たちも、流石にさして歩いている。
びしょ濡れになってたどり着いた毛糸やさんは、壁一面に毛糸、毛糸で夢のような空間。
大好きなのだけど、やり始めたらやめられなくなるので、去年の冬は封印していた編み物。
今年は思う存分編み編みしたいー!と思って、せっかくなので最高に素敵なヤクの毛糸と編み針を、ももさんはレインボーのウールを選んだ。
かせの状態だったので、買った毛糸を巻いてもらいたいとジェスチャーで伝えてみたら、お店のマダムがももさんと顔を合わせて、ここではできないから彼女に手伝ってもらって、とにっこりされた。
あー、優しい世界。
そうしよう、ももさんに手伝ってもらって巻き巻きしよう。

帰り道はますます雨が強まって、前を歩く素敵なスーツのムッシュもびしょ濡れ。
でも歩くしかないから、笑っちゃうほどびしょ濡れになりながらおうちまで辿り着き、絞れるほどになったワンピースを着替える。
本当はちょっと素敵なお店にランチを食べにいく予定だったのだけど、今日はやめておくことにして、予定を組み替える。
そうこうしているうちに、ももさんがごはんを炊いて、スープを作ってくれた。
炊き立てごはんでおむすびを握って、(とってもおいしいのりも持ってきてくれていたのです)あったかいスープでお昼ごはん。
かもめ食堂みたいだねって言いながら、おかかむすびと塩むすび、バター醤油のおむすびまで平らげる。
昨日買ったグリーンピースとトマト、玉ねぎが入った味噌ミルクスープは雨で冷えた体をほっかほかに温めてくれた。
わたしが作るスープより、ももさんが作るスープの方が圧倒的に体が温まる不思議。
単純に煮込んでいる時間が長め(わたしは沸騰させるまでの時間が長くて、その後あまりぐつぐつさせていない)なのもあると思うけど、それだけじゃない気がして面白い。

しばらくしたらぴかーんと雨が上がったので、サンルイ島へ。
ももさんも大好きな、飛行機のムッシュも激推しだったアイスやさんを目指して歩く。
橋の上が最高に気持ちよくて、パリの街並みはどこも素敵だけど、島はやっぱりちょっとうきうきした空気が流れている。
ムッシュが言っていた通り、バニラのアイスはありえないくらいバニラビーンズがたっぷりで、本当においしかった。感激。

その後ボンマルシェまで歩いて、お買い物。
食べ物を見るだけで1日中いられそう。
わたしにとってはテーマパークです。
お土産をいろいろ買い込んで、そのあとは金曜日の夜に開かれるというモンマルトルのマルシェへ。

パリの地下鉄はわかりやすくて、わたしでも乗れる。
マルシェというと朝からやっていてお昼頃には閉まるところが多いようだけど、モンマルトルの方は夜の街らしく、夜までやっている珍しいマルシェ。


地元の常連さんが多そうな、ローカルなマルシェで、周りの人たちの勢いにたじろぎ気味だったけど、おいしそうな食材がたくさんあって、どれも量り売りなのが素晴らしいなと思う。
日本のお肉屋さんにあるような量りが、スーパーでもマルシェでも全てのお店にあって、好きな量で野菜やチーズやナッツなども買える。
ビニールもほとんどなくて、買った野菜はそのままか、紙の袋にいれて渡してくれる。
このマルシェのムッシュも優しくて、ちょっとずついろいろ買いたい日本人に、いいよいいよ、このくらい?と笑顔で対応してくれた。
フランス語でお買い物するももさんはかっこよくて、かわいい。
かわいいももさんを、お店のムッシュがかわいがってくれる。
平和な世界。
わたしにはちんぷんかんぷんだけど、ムッシュが優しいのは伝わってくる。
ムッシュありがとう。ももさんありがとう。わたしは無力…
ももさんがこのマルシェで勝ち取ってきた野菜たち。

おいしそーう。
無力な割に消耗しているわたしを見兼ねて、この日はももさんがぜーんぶ夜ごはんを作ってくれた。

ポワローとマッシュルームのごろごろポトフ、ポワローの青いとこで炒飯、カリフラワー(フランスではシューフルール)とってもおいしい…
ここまでがっつり料理をするために作られたわけではなさそうなちーいさなキッチンで器も少なめだけど、じゅうぶん幸せ。
ミニトマトの味がものすごく濃かった。

この日は昨日買ったオレンジワインを開けました。

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