ロシア・ウクライナ戦争の三年目(日記)


03.23

 ロシア大統領選挙が終わり、アウディーイウカ以降は戦線に大きな変化はない。ベルゴロドへの越境攻撃は続いているようだが、影響があるようには見えない。

 現地時間22日、モスクワ郊外のコンサート会場で銃乱射事件があり、150名程度の死傷者が出た。ISISが犯行声明を出したとされる。ウクライナ戦争へのさらなる動員の布石としては動線が雑なので、今のところ可能性は五分に思える。

04.23

 アメリカによる支援法案が下院で成立し、上院でも成立見込みなので、ウクライナは四ヶ月間途切れていた支援を再び手にすることができるだろう。金額的には1年分以上と言われていて、特に不均衡が指摘されている砲兵のギャップを埋めることができるかもしれない。

 アウディーイウカ以降、前線では明らかにロシア軍の前進が続いてるが、ここ一ヶ月は特にその足を早めているように見える。ロシア軍の戦術は洗練されてきていて、数的優位と相まって優勢に傾いているようだ。ウクライナは適切な量の支援を得られるかもしれないが、反撃は難しいかもしれない。

 はっきりと、この戦争は無人機時代の戦争であることが明確になりつつある。前線では観測に欠かせない存在であることはもちろん、あらゆる種類の攻撃型ドローンが脅威となっている。大型無人機ではロシアは電力インフラを、ウクライナは製油所や軍需工場を(ロシアはミサイルを混ぜながら)攻撃しあっている。ウクライナは国境から1100km以上離れた場所への攻撃を成功させており、戦争への実質的ダメージはともかく宣伝効果としては抜群だろう。
 海上でもすでにロシア艦船が撃沈されていて、その有用性は証明されている。地上型ロボットも実戦投入されているようだが、UAVに比べて鈍足であり、操作も難しそうな地上型は今のところ目立った戦果を挙げられていないようだ。(もっぱらFPVドローンに撃破される映像ばかりが登場する)

05.23

  5月10日、兼ねてから言われていたようにロ軍がハリコフ方面へ攻撃を開始した。23日現在、ウ軍側の準備不足が主な要因と思われるが、ロ軍は予想以上の成功を収めている。

 東部戦線においても同じで、ウ軍は防衛陣地のと人員の欠如が主な理由と考えられる後退が続いている。弾薬不足もあるかもしれないが、準備と兵力不足はウクライナが解決すべき問題だろう。

 ロシア側では国防相を退任したショイグ氏の周囲が慌ただしいが、これは政争であり戦争に与える影響はほとんどないはずだ。黒海艦隊とクリミアの空軍基地およびロシア国内の石油精製施設への攻撃成功は数少ないウクライナ側のポジティブな話題だが、前線の後退と釣り合うものではない。

 F-16の投入がまもなくという話だが、戦況にどれほど影響があるかは不明である。

06.16

 西側支援兵器でのロシア国内攻撃を許可する動きが広まっているが、あくまでも前線に限るという制約付きで、要は国境付近のロシア側は安全地帯ではないということだろう。また、再開されたアメリカの支援が前線に届き始めているようだ。

 ハリコフ方面の攻勢は止まったものの、東部戦線ではロシア軍の前進が続いている。今年の大きな流れとしてウ軍は遅滞戦術を採用するようだが、どの程度の後退を想定しているかは分からない。

 ロ軍は電力インフラへの攻撃で、ウ軍は航空基地攻撃で一定の成功を収めている。24年は突発的な出来事がなければ削り合いの一年となり、やはり今年最大の関心事はアメリカ大統領選挙の結果になるのだろう。

07.15

 引き続き東部と南部ではロシア軍の緩やかな前進が続いていて、特段大きな変化はないように見える。

 ウクライナ国内の情報を発信するSNSを見る限り、どこも電力事情はかなり悪いようだ。今年の冬は厳しいかもしれない。

 14日、演説中のトランプ氏が狙撃される暗殺未遂事件が起きた。犯人は射殺され、動機や背後関係はまだわからない。テロルは徹底して非難されなければならない。

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