B型肝炎と予防接種
B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)が原因で起こる病気です。輸血や注射針の使い回しによる感染が有名ですが、性行為でも感染します。
大人の場合、HBVに感染にすると発熱、関節痛、だるさ、黄疸(おうだん)などの症状が出ることがありますが、自然に治っていきます(急性肝炎と呼びます)。その後は「治った」に近い状態になることが多くいのですが、一部の人は肝炎が完全に治らないことがあります(慢性肝炎)。HBVに感染した大人の10〜20%が慢性肝炎に進むとされています。
慢性肝炎に進み、治療せずそのままにしておくと肝臓はダメージを受け続け、肝硬変や肝臓がんになることがあります。
B型肝炎ウイルスは感染力が強く、血液、精液、膣分泌物などの他、唾液中にもウイルスが含まれています。しかも体の外でも7日以上生き残るという、厄介なウイルスです。感染しても必ず症状が出るとは限らないので、知らない間に感染していたということも少なくありません。
ウイルスを抑える薬はありますが、「これで完治する」という治療法は今のところありません。しかし、B型肝炎ウイルスにはワクチンがあります。
B型肝炎ウイルスに対するワクチンは「誰もが受けた方が良い」ワクチンと考えられていて、日本でも2016年から定期接種の対象となりました。定期接種とは、自治体が費用を補助するワクチンです(無料で受けられることが多いです)。しかし、B型肝炎の定期接種は生後1歳未満の赤ちゃんが対象なので、大人が接種する場合は費用の補助はありません。全額自己負担ですが、上に書いたように厄介なウイルスなので、お金を出して打つ価値のワクチンだと思います。
性病関連では、複数の人と性行為を行う人、性感染症(性病)に罹ったことがある人、男性と性行為を行う男性はB型肝炎ウイルスに感染するリスクが高いと考えられます。該当する方は、B型肝炎ワクチン接種を考えてみることをおすすめします。
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