山ちもちゃんとステキな言葉
Web絵本『山ちもちゃんとステキな言葉』
ちもちゃんは、七五三の「五」をまもる、おとぼけな男の子モルモット。
もしもちもちゃんが山になって、「山ちもちゃん」になったら。
このことをとおして、山に関するステキな言葉をしょうかいします!
春、夏、秋、冬。
四つの季節ごとにその言葉があり、まずは春の「山笑う」から。
春になると花がたくさんさいて、山が笑っているように見えるのです。
だから、春の山ちもちゃんも本人なりの笑顔「にへ顔」を見せます。
山となる顔は本当にうれしいかのような、もも色にそまります。
耳はさくらの花びら。
まるでさくらをかんざしにして、身につけたかのようです。
次に夏の「山したたる」。
したたるは「液体がどんどんたれてくる」のような意味で、
夏になると青い、または緑色の葉がしげり、山が水のしたたるように見えるのです。
だから、夏の山ちもちゃんは「とけちもちゃん」です。
ここで、山ちもちゃんのひみつを教えます。
ちもちゃんは、ちとせあめでできたモルモット。
木や葉など、山ちもちゃんも、あまいのです。
ほかの季節でもそうですが、「あめ(キャンディー)の雨」が降りもします。
夏の山ちもちゃんはとけちもちゃんですので、なおさら降ります。
次に秋の「山よそおう」。
よそおうは、けしょうのしょう、左に「米」、右に「庄」と書きます。
庄は「広」の「ム」を、「土」に変えた漢字です。
けしょうをするかのように、山も山ちもちゃんも、赤色や黄色、緑色にそまります。
だから、秋の山ちもちゃんも「にへ顔」よりもさらに喜び、口を開けてにっこりとします。
耳はもみじの葉。
まるでもみじをかんざしにして、身につけたかのようです。
そして、冬の「山ねむる」です。
葉は茶色になり、時には雪がついたりもして、山がねむっているように見えるのです。
ですが、ちもちゃんたちモルモットは冬みんしません。
目と口を閉じ、山ちもちゃんは静かに見まもりますが、
ほかの季節と同じように、モルモットとしてふつうに起きたりねたりするだけです。
かさじぞうさんから分けてもらったかさをかぶり、
山ちもちゃんは来るかもしれない春の光に向けて、活動するのです。
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