ちもちゃんライオン
Web絵本『ちもちゃんライオン』
ちもちゃんは、七五三の「五」をまもる、おとぼけな男の子モルモット。
時々、ちもちゃんはとても強いとされる、ライオンにとてもあこがれました。
前の冬にあこがれた時は、だてまきをたてがみにして、
「だてまきちもちゃんライオン」になりました。
しっぽは、はりつけたものです。
鳴き声は「ぷい~」と、そこまでライオンをまねようとしません。
ちもちゃんは自分なりに無理しないで、ライオンになりたいとしていました。
完ぺきなライオンでないかもしれませんが、それはそれでいいとしていたのです。
つぎの夏にあこがれた時は、ひまわりをたてがみにして、
「ひまわりちもちゃんライオン」になりました。
鳴き声はやっぱり、「ぷい~」。
自分なりに無理しないちもちゃんは、ライオンのようにかがやいていました。
その様子に心を打たれたそんざいが、「もっと、本もののライオンにしてあげよう」と、
雪のけっしょうをたてがみにした、
「雪のけっしょうちもちゃんライオン」に進化させてくれました。
しっぽは、本ものになりました。
さらに、全身をとけにくくして、たてがみが回るようにも。
「たてがみがとけるまでに、すずしくなるやり方がなくて
こまっているそんざいに、風を送ってあげてくれないかい」
温厚そぼくなちもちゃんは、そのそんざいの言ったとおりにしました。
時には、たおれそうになっていたそんざいを救って、とても厚くお礼を言われました。
そんなちもちゃんのたてがみが完全にとけ、もとにもどった時。
とけちもちゃんをすずしい家で、姉のしちもちゃんと妹のちゃんは、温かく出むかえたのです。
ほかのそんざいのためにがんばったちもちゃんは、
やっぱりライオンのようにかがやいていました。
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