カフェの企業を考えているあなたへ

初めまして、京都でスペシャルティコーヒー専門店を営んでいる糸井です。

私は今まで、美味しいコーヒーをたくさんの人に届けられるように
原産地に足を運んだり、また世界各国で行われる大会の審査員として
コーヒー業界に携わってきました。
noteでは、今まで私が経験してきたこと、スペシャルティコーヒー専門店の日常、また今後の展望について等をお話しします。

私が、コーヒーに関わる仕事を始めたのは15歳から、高校生のアルバイトです。
最初はただのアルバイトでしたが、だんだん面白くなり、とうとう31歳で喫茶店を始めました。そして焙煎、産地での買い付けとコーヒーを追いかけて気が付けば35年。少しでも、焙煎を始めたい方、特に女性の参考になればと思います。

スペシャルティコーヒー業界が立ち上がり隆盛を極めてきているのは皆さんご存知ですよね。
2001年にマイアミで開かれたSCAAのコーヒー展示会はまだ規模が小さく、その翌年でしたかオスロで開かれたSCAEはもっと小さいコーヒーショーでした。
こちらはほとんど日本の方は来られていませんでした。会期中バリスタ選手権があり、バールデルソーレの横山さんが日本代表として参加されていました。
当時はサポート体制も全くなくグラインダーやテーブルセッティングなどすべてを自分で持参されており、牛乳の調達や事前のトレーニング場所なども手探り状態で大変ご苦労されたとお聞きしました。
日本ではスペシャルティコーヒーの輸入もまだ始まっていませんでしたし概念・定義もまだ定まっていませんでした。
たった20年で、今や小さな街でも必ずと言っていいくらいスプレッソを飲ましてくれるカフェがあり、小さなロースターも見かけます。
スペシャルティコーヒのお店を始めたいというご相談はたくさんありました。
開業のお手伝いもしてきました。その中で残念ながら閉店・廃業されていかれる方もありました。とてもつらいです。
今回は私の35年の経験から、カフェ・自家焙煎店を開業するということを考えてみたいと思います。

一番大事なことは何を売りたいか、です。
物だけでなく、商いをする上で一番大事にしたいことは何かということです。
ビジネスとして大きく成功したいのか、家族で食べていきたいのか、趣味なのか、社会活動として大事なものを貫きたいのか。

また、自分のしたいこと・得意なことなのか

売るものの知識・情報はあるのか

実際に美味しいコーヒーを作れるのか

最後にとっても大事なこと―資金はどうするの?


開業資金がある、運転資金があるということはとっても大事なことです。
まずそこを考えましょう。
@不利なこと
自分の住まいは賃貸である。またはローンがある。
営業する店舗は賃貸である。
家族があり常時は手伝ってもらえないー子供が小さく自分や配偶者が世話をしている。
家族を扶養している。(両親や兄弟など)
貯金が少ない―手元資金がない

@有利な場合
家族と同居、または持ち家ローンなし
持ち店舗
配偶者が有収入で働いている、もしくは一緒に店で働ける
両親が余裕があり、自立した経済である、本当に困ったとき助けてもらえる。
開業のために貯金をしてきた。

このように並べてみると上と下では毎月支出が30-50万差が出ます。
不公平とは言えこれが現実です。
でも条件が育っているからと言って成功していない・廃業するという方もいっぱいいらっしゃいます。

一番大事なことは専門知識、技術、めげずに頑張れる気持ちです。

つづく

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