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人間は不合理な行動が多い生き物です

あえて合理的な生き方といえば、自分にとっていちばん利益になるような決定だけをいかなる時も下せるべきものであるということです。

すべての選択肢の違いを見抜き、それそれが短期的、長期的にもたらす価値を正確に判断し、自分にとっていちばん利益になるものを選び、どんなジレンマに陥っても曇りや偏見のない目で状況を見極めることが出来るということです。

しかし実際の人間は実に不合理な行動を起こすことに満ちています。

不合理とは簡単に言うと「筋が通らない行動」のこと。

例えば、ダイエット中にもかかわらず夜中にラーメンやお菓子を食べてしまったり、

別に欲しいと思っていなかったのに「凄く人気があって売り切れが続出している」とかいわれるとつい買ってしまったり、

また「無料です」と言われると無駄になるかもしれないと思いながらついつい貰ってしまったりする行動がこれに当たります。

それは自分では出来る限り合理的に物事を判断していると思いこんでいる人でも、無意識に不合理的な行動をしていることが実に多いのです。

すでにいろいろな企業では「人間は不合理な行動を起こしやすい」ことを前提とした対策や戦略がとられている証拠があります。

例えば多くの成人が日常的に経験している車の運転について考えてみましょう。

車にしてもそのインフラの道路にしても自動車メーカーや道路の設計者は、人が運転中に何時も賢明な判断をするとは限らないことを心得ていてその対策を進めています。

車には衝突被害軽減ブレーキ、車間距離制御装置、アンチロックシステム、車線逸脱警報装置から、踏み間違い加速抑制システム、人の運転によるリスクを避けるための補助機能としての自動運転システムなどが挙げられます。

道路などのインフラにも、視線誘導標、逆走・誤進入対策、ブロック系舗装などの対策があります。

また別の意味でこのような人間の不合理な心理を上手く利用した企業による販促が以前から行われていて、身近なところでは毎日利用するコンビニやネットショッピングでも多く見受けられます。 

コンビニの「クロスセル効果」と言われる関連商品を買ってもらって客単価を上げる方法には、レジ横のホットスナックが入っているフードショーケースやお酒コーナーのすぐ横におつまみを陳列するとか、人気商品のポスターを目立つところに表示してイメージを刷り込むなどの手法が見られます。

ネットショッピングでは「限定販売」「キャンペーン特別価格」とか「30分以内に申し込まないと特典は受けられません」「初回に限り〇〇%引き」などいかにもあおってくる手法ですね。

事程左様に人間の非合理な行動の意思決定を見越した戦略がいたるところで展開されていることに私たちは特に意識することもなくまんまと術中にはまっているのです。


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