友情の砦を築け!ゴッドファーザー哲学#1
ゴッドファーザーには映画版と小説版がある
ゴッドファーザーが50周年を迎えたらしい。
父さんが昔から繰り返し見ていた映画の一つ。
子どもの頃は静かなシーンが多くて、
よくわからなかったけど、
大人になるにつれ、
少しずつハマっていった。
そして最近、実は小説の原作があることを知った。
よし、読むぞ!
ドンの印象が映画と小説で違う
あれ、こんなセリフあったっけ?
映画はどうやら、
原作の一部を
繋ぎ合わせているらしい。
小説版では、
トムの前に別のコンシリエーレ(相談役)がいたり、
ジョニーを困らせる映画監督の裏の顔が
細かく書かれている。
そしてなにより、
ドン(ヴィトー)がもっといい人なのだ
小説にしか書かれていない、
僕のお気に入りのエピソードがある。
ハリウッドスターになったジョニー。
捨て子だったジョニーはドンに拾われ、
歌の才能を活かして、
ハリウッドスターにまで上り詰めた。
しかし女癖の悪さで
監督と奥さんの怒りを買ってしまい、
出演予定の映画を降板になり、
我が子にも会えなくなってしまった。
そして得意の歌も、
喉の病気で満足に歌えなくなった。
ジョニーは最後の助けを求めて、
ドンの娘の結婚式に
はるばるハリウッドから
ニューヨークまでやって来たのだ。
ここで、映画のドンは
男らしくしろ!俺が面倒見るから!
という感じだ。
小説版のドンは、
一味違う。
急になんで友だちの話?
と思うかもしれないが
これには小説にしか書かれていないワケがある。
ジョニーには少年時代にニノという親友がいた。
それはそれは仲良しで、
いつも一緒に歌を歌って育った。
ただ彼の元からジョニーは
急に去っていった。
ハリウッドスターになるために。
ニノは悲しくて飲んだくれはしたが、
不満は言わなかった。
そしてトラックの運転手をしながら、
週末に路上で数ドルもらいながら歌っていたのだ。
「彼のために何かしないのか?」
ドンは尋ねる。
「ゴッドファーザー、ニノはやっぱりイマイチなのさ、悪くないけどね。ビッグにはならない。」
ドンはこう切り返す。
「そういうお前も、いまやイマイチなんだろう?ニノと同じトラックの仕事でも探してやろうか?」
そして先ほどのセリフで、
ドンは周りの人を大切にできないジョニーに
友情の大切さを説いたのだ。
ドンに学ぶ、友達の作り方
ドンは友達作りが得意だ。
というか天才である。
娘の結婚式には、
アメリカ中のビジネスマン、マフィア、芸能人、政治家がドンに会いにくる。
そんなドンの友達づくりの秘訣を、
僕なりに解釈してみた。
それは、貸しと借りを作ることだ。
葬儀屋のボナセラは、
娘が若い男2人に乱暴されて、
ドンに助けを求めに来る。
ドンは助けることにしたが、
お金をもらわなかった。
その代わりに、
もし葬儀の仕事が必要な時が来たら、
よろしく頼むと伝える。
(悲しいことに後に必要になる)
ドンはすぐにお金をもらわない。
借りは後で返してもらう。
この施されてしまった気持ちが
人間関係の形成につながる。
実在するドンはどう振る舞うか
話変わるが、香港のタンザニア人コミュニティを描いた、
小川さやかさんの「チョンキンマンションのボスは知っている」では、
コミュニティのドンである"カラマ"の振る舞いを描いている。
このドンも貸し借りを作るのがうまいのだ。
ドンの住むチョンキンマンションには、
貧しいタンザニア移民が、
お腹を空かせてやってくる。
ただ、彼らは絶対に餓死しない。
マンションに住むタンザニア人は、
少しお金に余裕があれば、
彼らに飯を奢る習慣があるのだ。
別に裕福だから奢るわけではない。
少しお金を持っていれば、奢ってしまう。
半年もすれば、
奢られた側の中に成功する奴が
出てくるかもしれないし、
なんなら自分が一文無しに
なっているかもしれない
かららしい。
結論:友達はできる範囲で助けてやれ!
長くなってしまったが、
一度こいつは友達と認めたからには、
できる範囲で助けてあげよう。
p.s. 会社の宣伝のつもりで始めたのに、全然宣伝になってないぞ!