#9 アナログゲームインストール

 原稿がまるで進まないので、筆休めに少し前に褒められた事について書く。アナログゲーム全般についてつきまとうインストール問題について。
 今ではデジタルゲームの場合は覚える事そのものはそれほど難しくなく、チュートリアルも充実しているためにそれほど苦労しないが、アナログゲームをやる際には、ゲームを始める事がまず難しい。
 必要な人数を集めて、参加者全員がゲームを理解したところまで持っていくのが難しいゲームというのは結構ある。
 先日『Smuggling THE CESSPOOL』という麻薬密売ゲームをrhetorica民とプレイしたのだが、まず説明書を読み込むところから1時間程度はかかったと思う。そのあと20分程度かけて説明を初めて2~3時間近く遊んでいた気がする。その際にインストールの手際がいいと褒められて嬉しかったので書く。

 はじめに、アナログゲームのインストール係をする上で、気をつけているところから。
 まずゲームには終了条件が設定されている。○点以上取得した場合、○ラウンド終了時に勝利者を決める。といったものだ。終了条件を読むとプレイヤーが行う行動がまず明らかになっていく。『Smuggling THE CESSPOOL』の場合は、nラウンド終了時にもっともお金を持っていたプレイヤーの勝利とされている。
 もちろん勝利条件が複数あるゲームも多数あり、おおよそ3つ程度用意されている場合がある。複数の勝利条件が設定されているゲームほど面倒ではあるが、複数プレイヤー間での対戦を想定されている不完全情報ゲームの場合は無いと困る要素である。

 まず勝利条件の説明をしてから、行動手順の説明を行う。気をつけていることはこれだけだが、加えてゲームの所感について話すことがもっとも重要だと考えている。
 おおよそのゲームはPvP(player vs Player)、PvG(Player vs Game)の二種類に分けることができる。その中で、デッキ構築や拡大再生産、協力プレイ、ブラフといった要素がいくつか入って来ることでゲームが成り立っている。
 『Smuggling THE CESSPOOL』の場合であれば、最初に麻薬の仕入れという協力パートがあり(交渉によってより良い麻薬をリーダーに渡してもらったり)、その後販売という動きを入れて(この間に各プレイヤーの動きを読む)、組織への上納パートというプレイヤー間のブラフの掛け合いと罪のなすりつけ合いのパートが挟まり、それを繰り返すことで格差と疑心暗鬼が生まれてゆく。上納パートでプレイヤーが共同で出した金額が、指定の金額に届かなかった場合は上納額がもっとも高いプレイヤーが後始末をつけさせられる。銃で撃ってもいいし、借りだぞと言って補填しても良い。僕はとりあえず銃で撃つ事をオススメする。何故ならば、借りは帰ってこない。撃ってから違えば金を渡せばいいのだ:)
 基本のムーブは、みんなで金を稼ごうぜというPvGの協力パートから、うまく少ない上納金を入れてPvPパートに以降して、「俺じゃない。俺たちならもっと稼げるはずだろ?」「でもさっきお前一番稼いでたよな。」「俺はみんなの利益を出そうと思ってたから一番貧乏なんだ」「今週の仕入れは誰だ?Aか。儲かりそうでいいな。俺にもいい麻薬をくれよ」と言った疑心暗鬼を起こして、仲間を作りながら私腹を肥やしていくことだろう。

 一部のゲーム、例えば『狂気山脈』や『パンデミック』といったタイトルはクリアそのものは簡単でも、上級のレシピだとクリアそのものが難しく、プレイヤー同士がゲームに対して協力して挑む場合がある。
 こういったゲームは、要素のシナジーとゲーム理解度を何度かプレイして上げていく他ない。1日かけて根気よくロールプレイを楽しむことが重要だと考えている。

 大半のゲームはターン制で資源を得て拡大再生産していくか(ex.『ドミニオン』『カタン』)、共同のプールにためてそれをかっさらう(ex.『インカの黄金』)か、プールを溢れさたものの負け(ex.『ニムト』『キャプテンリノ』)という構造で考えることができる。
 いくつかアナログゲームをプレイしていけば、ゲーム間の要素を読み取りパートを分割してゲームの説明書が読むのが得意になっていくと思う。

『Smuggling THE CESSPOOL』やりたいです。

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