wearing note #1 入出力について

はじめに
 はじめましての方ははじめましてそれ以外の人はどうも、田村俊明a.k.a.DJ Ἀρχιμήδηςです。肩書きが多すぎる身ですが、自己紹介から。
 かつて美容専門学校に通い、一応美容師免許を取得後、京都の某美術大学で美術研究関連の学科に身を置いて、在学中にfashionista(現vanitas)でファッション批評を掲載していただき、東京に就職。アイドル関連の仕事を経て映像制作会社勤務。最近のお仕事ではユリイカ様にて草間彌生さんとファッション関連について寄稿。最新の映像はこちら
 そのほかrhetoricaという謎のチームに準レギュラースタッフとして参加(『狂乱の呼び声』ゲームプレイ論を寄稿)したり、Mt.fuji crewとして舐めた感じの3DJ 2MCという3人組をやったり、毎日ゲーム関係の記事を読み漁っています。


 自己紹介が長くなりましたが、noteではtwitter以上の文字数を書く癖を取り戻そうと思い、週1目標で雑記を書いていきます。
1.)最初に話題の紹介
2.)考察
3.)結び
 の3段構成でやっていこうかなと考えています。それでは以下。

wearilng note#1とは?
 これまで『ファッション』を中心に思考するのが中心でしたが、もう少しどうでもいい個人的な衣服について話していこうかなと水タバコを作りながら思ったので、はじめました。『ファッション』の定義についてはジョアンエントウィスル『ファッションと身体』にありますが、ざっくりと言って、大量生産やイメージ、制度との関わりがありかつ変化するものみたいなややこしい感じなので、noteではそういう定義バトルで概念的殺し合いをしたくないので、着ているものとしてwearingみたいな適当なものにしました。
 自堕落でなければ続くはずなので#1です。

1.)入出力についての話題紹介
 身の回りの衣服を選ぶ上で、おおよそ雑誌を読まなくなって久しくなりました。高校生の頃は月あたり男性誌4冊女性誌3冊モード誌1冊くらいのペースで読んでいたのですが、今では、主にセレクトショップのonline shopを巡回する程度です。地理的にも東京ということで、幸いにも道を歩けば流行りのブランドを着ている人にどこでも出会えるので入力という意味では比較的十分な情報量を確保できている気がしています。
 で、さっきこの記事を読んでうんざりしてnoteを始めることになったわけです。何がうんざりかというと、この記事は架空のバンドによるインタビューという形式ですが、大体みんな知ってるユニクロというメーカーのECサイトの紹介文をもじって構成してるわけですね。

 ここでまぁそうだよなぁと納得するのですが、衣服を選ぶ際に、「この仕立てと形式であれば冠婚葬祭どこでも大丈夫ですよ」とか「モテる」とか「女ウケが〜」とか、あらゆるタグ情報がつけられて私たちに入力されて、“TPO的に正しい”衣服感が形成されていくのですね。
 まぁバルトのモード研究とかそのあたりの言語ゲームでわかってることなんですが、記事をしっかり読んでみると、これなんとなくもののイメージが湧いて着ていい感じに読めちゃうんですよね。衣服を語る言語というものがかなり不完全であるにせよ(ラグジュアリーな雰囲気があなたを包みますとか)、ある程度ものと語る言葉をケーススタディすればなんとなく理解できるのはまぁ学習効果でてるねという話でしかないんですが...
 とはいえ、様々なタグ情報がついた衣類を不幸にも(!)買ってしまったとして、実際選ぶ時にどこまでそれが服を選ぶ上で機能しているんだろうなぁとも考えています。今。
 例えば、僕自身は自分が納得できるものを購入できないから、スーツというものが嫌いであまり着ません。吊るしのものでもまぁいいし、布地にはそこまでこだわりも眼もないのでそんなに唾棄するほどでもないのだけど、好き好んで着るほどのものか?と常々結婚式で着る度に思います。
 装飾には機能があるので、ラペルの形やゴージラインでその日の顔の調子に合わせて選べるほどの数が揃えられるなら、気候に合わせて素材とシャツネクタイのカラーバリエーションを選べるほど揃っているなら、まぁ有用性を認めなくはないという考えです。
 ちなみに新卒時代に、ヨレヨレでブカブカのスーツを着た先輩にノーネクタイで仕事をしていたら「ちゃんとスーツ着なきゃダメだよ」って言われた時に滅びよと思いました。道を歩いていても、それ何年もの?スーツなのに肩にカバンかけて大丈夫?その靴学生?みたいな社会人が多いので早く文化的に一度滅びて着物警察みたいな感じでスーツ警察が現れることを楽しみにしています。
 話題がそれましたが、選べるほどのバリエーションというのは出力に置いて重要なファクターです。人が住む家にストック出来る服の数は有限なので、手持ちのカードでいい感じの出力を出すには、タグ情報の把握と気候や一日の予定の環境変数を入れるのが最低限必要な情報だと思います。が、マンネリをどう避けたものかなぁとも思います。

 で、結びにならない結びですが、たまに「あ、この服の組み合わせ今日イケてる。」とか「定番の組み合わせだけど、今日はこのパンツの太さの気分じゃないからもう家出たくない。しょうがないから着替えるか。靴も違うなんだこれ」みたいな謎の発見があるのは一体なんなんでしょうね。
 観測者である私自身の変化というベタな内容なんですが、やはりショップのラックないしECサイト内でみる生のタグ情報のみの衣服から、「私の服」への変化が重要なファクターなのかなーと思っています。マンネリの中から、自分の中でタグ情報を置き換え、読み替えて行くことが着こなしの第一歩なのだろうか。こんな感じでどうでしょうか。

※追記
 以後飯やゲームのことも書いていきます。それでも日常のことはwearing note #nで統一します
※追記2 
 書き忘れましたが、音楽というメディアが時間芸術で、衣類はまぁよくわからんが視覚文化の一味なので、その差異についても語る言葉という観点からは考えるべき事例だった。バンドのインタビューとしてもなんとなく成立しているように筆者には思えるが皆さんはどうだろうか?音色というものは詩的言語でしか形容できないと考えているので、本来バンドのインタビューというものはおそらく文化的背景や制作プロセスとメンバー間のコミュニケーションが中心にならざるをえないにも関わらず、「初期衝動から一転し〜」みたいなテンプレ的修辞が可能なのは大変面白いと思う。

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