#10 FPSの面白さについて大会観戦の視点から

 先日ゲーマー日日新聞のJ1N1さんが『ゲームは「誰かをぶっ殺せる」から面白い。ゲームの暴力性を文化的に解釈する』
https://note.mu/j1n1/n/ncef205592012
 という記事を上げてらっしゃったので改めてFPSを中心としたタイトルのことを解説してみようかなと。

 そもそもeSports系ビッグタイトルFPSのゲーム性とは何か?
 おおよそ2種類に分けることができると思いますが、特定の状況下での判断力を問う面白さor流動的な環境の中で手持ちのカードで戦略を練る面白さが今の主流だと考えています。
 3タイトルほど簡単に紹介していこうと思いますが、僕自身は熱心なFPSプレイヤーではないので間違っていたらすみません...

・OverWatch
 2016年にブリザードエンターテイメント社が発表したタイトル。
 30体近いヒーローというキャラクターを試合中選択して変えれる部分が特徴的である。
 リーグではおおよそBO5が採用されており、特に本タイトルで注目すべき種目はペイロードと呼ばれる形式だろう。車両護衛のような形で6人のチームが防衛と攻撃に別れて、攻撃側は防衛側のヒーローを倒すことで車両を前に進めることができる。それぞれチェックポイントが用意されており、3ポイントを取るか時間で終了となり攻撃と防衛が入れ替わる。共に3ポイント取得した場合はもう一度マッチを行い勝敗を決める。
 ざっくりとした説明だが、イメージとしてはアメリカンフットボールに近いゲーム性だと言える。制限時間内に○m進めれば攻撃側のターンが持続、点数が入れば終了しサイドチェンジを行うというのはそのものでしかない。
 アメリカンフットボールとの大きな違いは、車両護衛という形式上これらが市街戦を想定しており、マップを進める中で守りやすい場所、射線が通りやすい場所などが常に変動していく点だろう。いわば、10mまではアタッカーが活躍できるが、10m〜20mの間ではやることがなくなるので、先回りして裏どりするかヒーローのチェンジを行うなど、試合展開や相手の構成に合わせた戦略が必要となる。
 非常にスポーツ的ですね。

・CS:GO
  2014年にvalve社が発表したタイトル。wikiを引用すればテロリストとカウンターテロリストをテーマにしたゲーム。ほとんどの大会では、7マップからいくつか選び、爆破モードで行う。
 制限時間内にマップ上にある爆破目標に対してテロリストチームが時限爆弾を仕掛け、起爆まで守り切れば勝利。カウンターテロリストチームはこれを阻止し、爆弾が設置された場合は解除キットで爆弾を無効化すると勝利となる。相手チームを全滅させても勝利。大会規定のラウンド数先取で1マッチ終了で、BO5(5戦中3本先取)が中心となる。
 このゲームの特徴的な部分はマネーシステムと呼ばれるもので、キルの手法に応じて所持金が増えたり、ラウンドの勝利や敗北によっても所持金が増減する。毎ラウンド開始前にそのマネーを使用して装備品を整えてゲームを開始する。
 選択したマップの重要なポイントを分かれて防衛し、テロリスト側は相手の陣形を見ながら攻め入り、爆弾を設置することを第一目標としてプレイしていく。マップはラウンドを経ても変わらないので、相手の所持金額や自チームの所持金額を計算しながら、戦略を練ることが必要となる。似たゲームとしてrainbow six siegeが上げられる。
 rainbow six siegeとCS:GO共に、マップ環境はラウンド中変わらないが、プレイヤーに出来ることが常に変動するために、限られた選択肢の中で有効な戦略を考えながら相手のマップ理解度を計り出し抜いていくことが求められる。もちろん、各プレイヤーの力量が問われるが、一定水準以上のプレイヤースキルを持っていることが前提のプロシーンにおいては、マップ研究能力やセットプレイの練度、相手チームのキーとなる戦略のカウンタープレイの準備といった、ハンドスキル以上のものが求められると考えている。

・PUBG
 みんな大好きバトルロワイヤルゲーム。ソロとスクワッドで大きくゲーム性が異なる。ゲーム性として特に面白い部分はやはりセーフゾーンがランダムで狭まっていくため、常に移動しなければならない点だろう。ゾーンの収束であたりを引くことができれば、待ち構える強いプレイが出来るが、運任せなので基本的には円の外周をうろうろしながら、点在する家や倉庫を拠点に遭遇戦を行っていく。
 ゲームの勝利条件は最後の一人orチームになることなので、極論を言えば最後しか戦う必要がない。ゾーンの収束に愛されれば、引きこもって、銃を乱射して弾幕さえ晴れれば相手は動けないので勝つことができる。基本的にそんな展開は大会でも珍しいと思いますが ...
 このゲームの場合は自分の安全が確保されていても、打つ方が損だというのが僕の理解度のレベルです。情報ゲームなので、自分の位置が判明すると横で見ているチームになんの武器を持っているかなど情報を与えることになり、一方で自分達はなんの情報もない状態になります。
 基本的には潜伏しながら、ゾーンの収束により臨界点を迎えるまでに良いポジションや物資を集めていけるかがゲームの中心かなと思います。

 以上、三つほど人気のFPSの解説をしましたが、基本的にはゲームのスポーツ性というのを考えたときに残虐な、暴力的な部分というのはついででしかないというのが僕の考えです。
 なんとなく改めてFPSのゲーム性について書いてみたかったので書きましたが、もっとゲームの中でできることやプレイヤーの得意なキャラクター、チームの得意な構成などを知ることでより深く観戦できるので、これをきっかけにFPSの大会をみない人もみてくれればいいなーと思います。
 雑な締めですがこんな感じで。

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