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映画評「DAU.ナターシャ」

ロシアで上映禁止。ソビエトの秘密研究都市を丸ごとセットで再現。スタッフキャストが何ヶ月もそこで生活。全ての設備、紙幣、食堂レシピ、服下着、化粧品に至るまで当時の物を使い、短時間入所者の医者、修理人等にまで当時の服装に着替えることを要求。前代未聞の環境で作られた映画プロジェクト第一作「DAU ナターシャ」劇重鑑賞後ダメージ喰らうけど、
これからの時代生き残る覚悟に必要なものがある。
前半のウェイトレス二人の演技がすごいが露悪的過ぎない?と思っていたら最後の圧巻の尋問シーン(マジモンの元KGB)で構造が丸ごと浮かび上がる。この演技とセリフを即興で組み立てる人間の厚みがすごいな。前半の招聘フランス人科学者が女のブラのボタンが外せない、それが後に重く響くとは。ナターシャの「生身の人間なのよ」世界の全ての権力の暴力を打つ言葉、当の映画の製作者すら打つよね。

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