竹松
竹松 動物界霊異誌
竹松とは、石見の太田町にいたという外道(つきもの)であった。
岩谷という家の女房と深い因縁があると思われ、他の家でとりついては、女房の名を名乗った。
そのことがあり、岩谷の家に怒鳴り込むものもあったが、『うちにそのような邪獣がいるなら、家捜ししてつまみ出せ』といい、名誉を損なわれたから訴訟すると息巻いた。
ただ、竹松を落とそうと祈祷すると女房の具合が悪くなるので、何が関わりがあると、誰もが思っていた。
ある時、地元の老人が、外道を殺した。それは、白毛の首輪のある老いた外道であった。
それから辺りは静かになり、岩谷家はみな死んだ。
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