赤泊の子供
赤泊の子供 矢部町の民話と伝説
赤泊というのは堤の名前である。そこを通りかかると子供がたくさん現れていたずらをしたという。この子供の正体は河童であった。
ある時、彦八という正直者で知られる人が買い出しの途中に堤を通りかかった。子供たちが現れ、遊ぼうとちょっかいをだしてきたが、彦八は用事の途中だから、後で遊ぼうと断った。
彦八は買い物をすませて赤泊にくると子供たちに向かい声をかけた。しかし、なかなか現れなかった。そこで何度か声をかけると、顔を赤くした子供がひとり現れた。
「あんたが酒を飲ませてくれたから、今日はやめとこう」
そう彦八は買い物を済ませてから、最後に酒を一杯買って水神さまにと捧げながら地面に撒いたのだった。それが河童のところまで届いたものと思われた。
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