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石変じて童女となる

石変じて童女となる 日本書紀
 垂仁天皇の御代、意富加羅国の王子都怒我阿羅斯等が、ある日黄牛に田器を負わせて田舎に行くと、牛がいなくなった。
 捜していると老翁が現れて
『おまえの捜している牛は郡公が殺して食った』という。そうしてこれ以降のやり方を伝えた。

 阿羅斯等が郡公の館に行って牛の弁償を求めた。しかし、牛はすでに殺されて、食べられていた。そこでかわりになる財物を求めた。
 それは郡の祭神であった。
 郡公は白石を持ってきた。阿羅斯等は白石を持ち帰り寝室に置くと、白石は美しい童女となった。

 阿羅斯等は大変喜んで求婚すると、童女は逃げ去ってしまった。
 阿羅斯等が追い求めると、海を渡って日本国に入り、摂津の難波を経て豊後のある島に至ったのが分かった。

 その島で童女は女神として祀られ、比売語曽神社となった。そして島は姫島と呼ばれるようになった。
 

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