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おこらなかった皿屋敷


おこらなかった皿屋敷 心霊の戦場から  
 お菊という女中が家伝を皿を割ってしまい泣いていると、通りすがった米搗男八蔵。
「ここに奉公する時にこの皿に何かあればお前の命はないといわれた。私の命もここまでです」
 八蔵は「お前の命は引き受けた」と残りの皿をたたき割った。
 その欠片を掴み、寝ている主人のところに押しかけ
「人の命と皿、どっちが大切だ」と怒鳴った。
「もし皿の方が大切だというなら覚悟しろ」
 主人はあまりの剣幕に頭を下げた。
 お菊は救われた。


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