猿田彦 117
猿田彦 回國記
天正元年11月7日のこと戸隠山の小さな社である行者が眠っていたところ、夜中に老翁が現れた。
翁は猿田彦と名乗り、いつもは四方の国々を周り、鬼神を鎮め、悪魔を追っているという。
ただ、今日のみは、必ずこの社にきて、休むという。
「庚申の夜に、猿田彦神様と祭る方でしょうか?」
と尋ねた。
すると、そうだと頷き、
「みな常日頃からの人の信仰によるところで、たとえ庚申の日に祭りを行っていても悪いことが起こるときは起こる」
と話されたという。
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