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もいっさんのたもと石
もいっさんのたもと石 大和町史
もいっさんとは乙文殊宮のことである。文殊菩薩が祀られた神社であり、全国でも珍しい。この神社には次のような伝説がある。
かつて実相院の竹内坊に文殊さんが祀ってあった。
この竹内坊の玄関先に大きな石があり、つねづね住職が「この石さえなければ………」掃除をするのに楽だとか、庭のかっこうがどうなるとか、ことごとに愚痴をこぼし、下駄でけるなど邪魔ものあつかいしていた。
ある時、見知らぬ役僧がこれを見かねて「この石を私がもらってもよいか」とたずねると
「持っていけるなら今すぐ持っていけ」と荒々しく答えた。
するとその夜のこと、役僧が衣のそでにその石をつつんで持ち去った。
その役僧というのが実は文殊菩薩の化身で石と共に遷座されたという。
この石が文殊さんの「たもと石」と呼ばれ、高さ4.5m、直径9mの巨石で、乙文殊宮より更に550mほど登った所、奥の院の裏にある。
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