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狩人の神

狩人の神 童蒙抄
 伊勢で、ある狩人が鹿を追い、山に入った。
 風雨がひどい中、進んでいくと、鬼が女をさらっていくのにあった。
 救いを求める声に、狩人は矢を放ち、鬼の体が揺らいだところ、塚穴の中に落とし火を放った。

 女を家に連れ帰り、ふたりは夫婦となり、
子を授かった。しかし、女は歌を残し、子ともども姿を消した。

わが庵は三輪の山もと恋しくは訪らひ来ませ杉立てる門

 猟師は歌に従って三輪を目指した。三輪に詣でて祈誓すると、社の戸が開き、女と子が姿を見せた。

 後に親子三人が神として祀られるようになったという。
 

 


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