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矢の行方 99

矢の行方 迷信の話


 唐の明皇が9月9日、沙苑で狩猟をしていた。弓を構え、飛んでいた雁に放った。
 しかし、雁は墜ちないで、矢を負いたまま西南に消えていった。

 十年ほどが過ぎ、明皇は蜀を訪ねた。
 その時、訪れたある屋敷で自らの矢を見つけた。驚いて、その家のものに訪ねると、徐という道士が持ってきたものという。
「しばらくご無沙汰しておりました。実は重陽の日、沙苑にいっていたのですが、この矢でいられまして、治療をしていたのです。この、矢の主が訪ねてきて、驚きますよ」
 
 

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