SNS全盛期の現代。飲食店がSNSにメニューの写真を投稿し、集客へとつなげるのは今や珍しくないものとなりました。
そして、その波はTikTokにも訪れています。
なかでも目覚ましい成果を出しているお店のひとつが、フレッシュなフルーツ大福を提供する「金沢フルーツ大福 凛々堂」。
なんと鮮やかな断面!
フルーツは、高級専門店で採用される逸品や、産地直送の新鮮なものだけを厳選しており、食欲をそそります。
そんな凛々堂は、2020年11月に1号店となるスカイツリー店をオープンしてからというもの、すぐに全国展開をスタート。現在は直営店とフランチャイズ加盟店を合わせて全国に10店舗を構えています。
凛々堂はなぜ、驚くべきスピードで成功を収めているのでしょうか。その裏側にある戦略を、SNS運用も手がける社長の鈴木智哉さんに聞きました。
なぜフルーツ大福なのか? 成功を裏づけたSNSマーケティング
一貫性のある投稿から、SNSのプロの仕業なのが一目でわかる凛々堂のアカウント。まずは、鈴木さんのこれまでのキャリアから教えてください。
当時はInstagramを主戦場としていた鈴木さん。具体的にどのような策を打ったのでしょうか。
高速でPDCAを回した結果、令和ホルモンはわずか3ヶ月で行列のできる人気店に。ですが、順調に見えた店舗経営に突如として暗雲が立ち込めます。
コロナ禍は図らずも、全国から集客できるSNSマーケティングの意外な欠点を浮き彫りにしたのかもしれません。
では、なぜフルーツ大福に目をつけたのでしょうか。
また、令和ホルモンで時勢の荒波に苦しめられた鈴木さんは、時勢を味方につける戦略をフルーツ大福に見出していました。
TikTokでの集客に成功。オープン初日から長蛇の列
焼肉店の課題から逆算し、フルーツ大福にたどり着いた鈴木さん。オープンの約2ヶ月前から、TikTokを本格的にスタートしました。
特にバズったのはこんな動画。
トレンドを分析し、フルーツ大福向けにアレンジしたわけですね。
続いて、コメントや「いいね」などの反響が大きい動画についても聞いてみると……。
こうした動画がヒットし、なんとオープン初日からお店の前には長蛇の列が。現在でもお客様の2〜3割ほどがTikTok経由の来店だそうです。
TikTokでは大人の財布が動かないと思われることも多いですが、実態は逆で、若者が大人を連れてくるプラットフォームだったということ。これは目からウロコの発見かもしれません。
TikTok LIVEでアルバイトの月給に匹敵するほどのギフトを獲得
さらに特筆すべきは、販売スタッフが営業時間中、常にライブ配信で視聴者とコミュニケーションを取っていること。これが恐るべき成果へとつながっています。
「フルーツ大福を食べたい」「ライブ配信を行っている販売スタッフに会いたい」という、2種類の動機づけに成功しているのです。こうして週3回以上、フルーツ大福を"大人買い"していく方もいるとか。
TikTokのギフティング機能、「TikTok LIVE Gifting」を使用した際には、アルバイトスタッフ全体の月給に匹敵するほどの収益を叩き出したことも。
ほかにも凛々堂のライブ配信は、さまざまなメリットをもたらす仕組みとして機能しています。
TikTok経由で求人も。「看板娘2.0」 というイノベーション
さらに凛々堂では、"看板娘"たちもTikTokで募集。動画投稿やTikTok LIVEで「アルバイト募集中」と告知するだけで、応募が殺到していると言います。
求人に苦しむお店も多い中、成功の理由はどこにあるのでしょうか?
現代の若者は、お金以上にフォロワーの支持を集めることが価値を持つとも言われています。「TikTok LIVEに出たい」「TikTokのノウハウを身につけたい」といった志望動機の人もいるのでは?
SNSのテクニックを磨きながらお金ももらえて、成果によってはインセンティブまで支払われる。確かに、時代とマッチした魅力的な求人ですね。
これまで"看板娘"と言えば、地域の人だけが知っているローカルな存在でした。
ですが、現代ではTikTokなどを通じて全国から集客したり、看板娘自身が人気を活かしてお金を稼いだりできる仕組みが整っています。凛々堂が起こしたのは、「看板娘2.0」とも言うべきイノベーションなのかもしれません。
有名YouTuberともコラボ。目指すは「年内50店舗」
2021年4月には、株式会社App Bankの代表兼YouTuber・マックスむらいさんの炭フードブランド「友竹庵」ともコラボ。期間限定の黒フルーツ大福がHIKAKINさんの動画でも紹介されるなど、人気は高まるばかりです。
鈴木さんは今後、どのような未来を思い描いているのでしょうか。
工夫次第で強力な集客ツールになるTikTok。店舗経営の切り札として活用してみてはいかがでしょうか。
クリエイタープロフィール
金沢フルーツ大福凛々堂 社長 鈴木智哉
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