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TikTok Japan、認定NPO法人カタリバと連携し、湯浅誠氏と関戸かのんさんをゲストに迎え「サードプレイス」について考えるワークショップを開催

TikTok Japanは2023年8月24日、「夏のTikTok #悩み相談 」キャンペーンの一環として、認定NPO法人カタリバと連携したイベント「私たちが“らしく”いられる場所って、どんな場所?」を開催しました。当日は約30名の中・高・大学生が渋谷ヒカリエのTikTokオフィスやオンラインで参加。ゲストの東京大学特任教授・社会活動家の湯浅誠氏、TikTokクリエイター関戸かのんさんとともに「サードプレイス(家でも学校でもない第三の場所)」について学び、考えました。

TikTokを安心できる居場所「サードプレイス」に

はじめにTikTok 公共政策本部 公共政策マネージャーの金子陽子が青少年の悩みに関するTikTokの取り組みについて説明しました。

TikTokでは2021年から、視聴者から寄せられた悩みにNPOなどの専門家が動画で回答する「悩み相談」の取り組みを実施しています。2023年夏に開催した「夏のTikTok #悩み相談 」では「学校」「家族」「お金」という3つのテーマについて募集し、特設ベージ経由で1500件を超える悩みが寄せられたといいます。こうした悩みに専門家の皆さまが回答することで、悩みを寄せた人はもちろん、回答動画の視聴者にもアドバイスを届けることができました。

「周囲の人に言えない悩みもTikTokなら打ち明けることができたり、そこにコメントを通じた共感や励まし、アドバイスなどが寄せられることもある」と金子はいいます。そんなプラットフォームの特性を生かし「悩んでいる人と悩みに寄り添う人や専門家との架け橋となっています」と説明しました。

大人には「居場所」がたくさんある社会をつくる責任がある

イベントでは参加した学生が社会活動家の湯浅誠氏とともに「サードプレイスとはどんな場所なのか」を考えました。最初に湯浅氏から投げかけられた問いは「あなたに居場所はありますか?」というものでした。

家や学校、部活、カフェなど、その人にとって居場所は様々です。大事なのは、自分が誰かにちゃんと見てもらえている、受け止められている、尊重されている、つながっていると感じられるような、なんらかの「関係性のある場」かどうか、だと湯浅氏はいいます。それは人との関係だけではなく、ときには趣味などの「モノ」や「コト」との関係によってしんどいことから逃れられる場つくることもあります。

人間は社会的な動物で、承認欲求があります。そして否定的・抑圧的な関係から逃れたり、肯定的・需要的な関係の中で自分の居場所を持つことは、すべての人にとって「生きるうえで必要不可欠な要素」だと湯浅氏はいいます。そして、それは憲法で保障されている「幸福追求権」なのだと湯浅氏は強調しました。

「私たちが目指すべき世界は、たくさんの人ができるだけ多くの居場所を持てる社会です。どんな人でも少なくともひとつは居場所を持てることが重要です。家庭がダメなら学校、学校がだめなら友人の家…。そんなふうにあきらめることなく、とにかくたくさんの居場所を持ってほしいと思います」(湯浅氏)

ここで大事なのは、居場所は「DO」ではなく「BE」の場であること。例えば学校は勉強をする(DO)場所ですが、たとえ勉強をしなくても自分の存在を認められる場所(BE)であれば、その人にとっては立派な居場所となります。湯浅氏は「子どもたちに居場所がないのは、私たち大人が居場所をつくることができていないから。大人にはそういう居場所がたくさんある社会をつくる責任があります」と力強く語りました。

湯浅氏の話を受け、参加者は各グループで「私らしさを失うとき、感じられるときってどんなとき?」をテーマに話し合いました。私らしさを失うときについては、「周囲の目が気になって、受け入れられているかどうか気にしてしまうとき」「嘘をつかれたり、自分を否定されたとき」「型にはまってしまうとき」などの声が上がりました。

一方、私らしさを感じられるときには「好きなことをしているとき」「素直になっているとき」「自分が認められているとき」などが挙がり、「自分が好き、頑張ったと思ったことを小さく積み重ねることができれば、自分らしさ感じる瞬間を多く持てるようになる」という声もありました。

居場所のなかった私がTikTokに居場所を見つけた

各SNSとTikTokで総計100万人以上のフォロワーを持つTikTokクリエイターの関戸かのんさんは、自身が居場所を見つけるまでのストーリーを語りました。

学生時代、家でも学校でも自分が心地よく感じられる居場所を感じられずにいたという関戸さん。人間関係をリセットしたくて地元から遠い高校に進学したものの、そこでも居心地の悪さを感じて、音楽室で一人でお弁当を食べるようになったといいます。「私の学生生活のモットーは、そんなふうにできるだけ自分の存在感を消すことだった」と関戸さんは振り返ります。

そんなとき一人でお弁当を食べる動画をTikTokに投稿したところ「応援しているよ!」というコメントがつくようになりました。TikTokをはじめる前は、ひとりでお弁当を食べるのは恥ずかしい気持ちがあったという関戸さんですが、フォロワーが増え、応援コメントがつくことで「自分らしい生き方をしてもいいんだ」と勇気づけられたそうです。「そこから私にとってTikTokが自分の大切な居場所になっていきました」と関戸さんはいいます。TikTokクリエイターに加え、モデルなど活躍の場を広げている関戸さんは、多くの人に自分を認めてもらい、新たな自分の居場所も手に入れました。

学生時代、家での居場所は「クローゼットの中」だったという関戸さん。そこで好きな音楽や映画を見る時間は、嫌なことを忘れることができたといいます。「今度は自分を支えてくれた映像をつくる仕事を通じ、誰かを勇気づけていきたい」と決意を語りました。

さらに、自身のこれまでの経験から「心地よい居場所はどんどん変化していっていい」と関戸さんは参加者に語りかけます。

「私自身、今も居場所を探している最中です。最初は心地よくても、やっぱり違ったな、と思うこともあります。そうしたら、また別のサードプレイスを探せばいい。そんなふうに自分の成長と共に、安心できる場所、心地よい場所は変わっていくものじゃないかと思っています」(関戸さん)

ストレートに自分の過去を語ってくれた関戸さんに対して、参加した学生たちからは「自分が救われたエンターテインメントで、誰かの力になりたいという言葉にハッとした」としたいう声や、感動で涙ぐみながら「同じような経験をしているので、すごく共感できた」というようなコメントも寄せられました。

@kanon.sekido

どこに行っても場違い感を感じていたけど探し求めていればいつか必ず、居心地の良い居場所はできると思います。#サードプレイス #tiktok安全推進 #tiktokpresents #悩み相談

♬ Find you in the dark feat. Nenashi - Ovall

デジタルの世界だからできる居場所づくり

湯浅氏、関戸さんの話を受け、参加者はグループに分かれて「私たちにとって、オンラインのサードプレイスとは何か?」というテーマについて議論し、安心できるオンライン上のサードプレイスづくりについて、多くの意見が出されました。

「悪口をどう取り締まるかが課題」「デジタルの世界だからこそできる居場所づくりがある」「一緒に好きなゲームや音楽を作ることもネットなら簡単にできる」「言いたくないことは言わなくてもいいし、隠したいことは隠していいのがデジタルの世界。顔を隠せるスタンプなどを上手に使うことで居心地のよさを感じられることもありそう」。参加者それぞれが当事者として自分の居場所を探す中で感じた多様な思いを発表しました。

居場所づくりを実践してきた湯浅氏、自分の居場所をTikTokに見つけた関戸かのんさんのお話をきっかけに、参加者全員で「自分らしくいられる居場所づくり」について議論した今回のワークショップ。TikTokをはじめとするオンラインサービスが新たな「安全な居場所」になっている現状も踏まえ、一人ひとりがオンライン、オフラインの双方における「サードプレイス」をどうつくるかを考えました。

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