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「対談ラボ ×本山雅志選手、野沢拓也選手」から考えたこと


1 感覚的(又は本能的)にプレーしたい選手との付き合い方、活かし方


 岩政さんは動画内で「例えば良い立ち位置を感覚的にプレーしたい選手に伝えるのは言い方的に窮屈なのではないか。役割を明確にし、そのためにこうしてほしい、こうすれば?と伝える方がいいと思う。」とおっしゃっている。例えば感覚的にプレーするFWに、ハーフスペースだのアイソレーションだのと戦術用語を用いて考えを伝えるのではなく、あなたの役割はゴールを取ることで、そのためにはゴールに直結する動きをしてほしい。と伝えるほうが伝わりやすいということだ。ただ、目的はゴールを取ること(攻撃)であり、伝えることではない。なので僕は感覚的にプレーしたい選手(FWの場合)を活かすには、上記のような言い方で考えを伝え、実際に現象(ゴール、チャンス)を創り出すことが必要だと考えた。言葉一つにも配慮し、アタッカーの動きも見逃さないボランチになりたい。


2 SHの守備


 攻撃と守備は表裏一体。サイドの選手(SHなど)はこの関係性が明暗を分けることもある。本山さんも動画内で、自分がSHで相手のSBがオーバーラップを仕掛けようとした際、ついていきすぎないことも大事だとおっしゃっていた。なぜなら、下がりすぎてしまうと攻撃に局面が変わった時にFWが孤立してしまうからだ。相手の立場から考えると自分のマーク(SH)が残っているとオーバーラップをしずらい。つまり、下がるだけが守備ではないということだ。下がるか、残るか。その駆け引きを制することがSHの守備で大事になってくる。そして、チームメイトが共通認識しておくことも大事になってくる。


3 効果的なゲームブレイク


 ボランチはポルトガル語で「舵取り」。これはすなわち、試合をつくる力、ゲームメイク力が必須な能力だということを示している。そのようなポジションでプレーしている僕が今回考えるのは「効果的なゲームブレイク」だ。本山さんは、ボールを握ってはいるが、握っているだけになっている時、イチかバチかのパスを前線に送ることがあるという。これは90分で勝つという考えの下、場面に応じて意外性のあるプレーを選択し、守備者にストレスや負担を与えるという意味で効果的だと考える。セオリー通りのビルドアップをすることも大切だが、場面に応じてイチかバチかのパスを背後へ出す、いきなりスピードアップする、ロングシュートをするなどのゲームをブレイクすることもゲームメイク力なのかもしれない。

注意事項:イージーミス(ボールロスト、ミスパス、クリアミスなど)は効果的ではないゲームブレイク。それは一度だってしてはいけない。



4 他人の意見を鵜吞みにしなことの重要性


 例えば、CBがボールサイドにスライドした際、空いたスペースはSBがカバーリングする。CBはもう少し距離を縮めてくれと主張するが、SBは自分の能力であればこの距離でもカバーリングできると判断し、主張している。もしSBがCBの意見を鵜呑みにして距離を縮めると、大外のSHへのプレスが遅れるなどといった「損」が生まれる。しかし、監督だから、先輩だからということを理由にし、イエスマンになり、「損」を生み出している選手は少なくない。自分の能力、役割を理解した上で相手の意見を聞き、プレーしたい。攻撃ではゴールを奪う、守備ではゴールを守るという方向さえずれなければ、多少の衝突は痛くない。

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