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遠き別れに、耐えかねて

誰かに元気を出して欲しい、といった感情は、どこから出てくるのでしょうか。

 何か期するところがあって新天地に赴く、あるいはリタイアをして悠々自適の生活に入る等、何かの区切りの時に、激励(げきれい)の会が開かれることがあります。

 激(げき)という文字には、激しくうちあたる、きびしい、感情を激しく動かす等の意味があります。また、励(れい)の文字は、力を振り絞ってはげむ、励ます等の意味があります。すなわち、激励(げきれい)とは、相手の心に響くくらいに、強く心から励ます事を言うのでしょう。辞書をみると、単に、”大いに励ますこと”等と説明してありますが、その本質は、相手の心に響くような、暖かな思いやりや励ましの行為の中にあるのでしょう。

昔、惜別の歌、というのがありました。作詞が島崎藤村、作曲が藤江英輔。

 遠き別れに 耐えかねてこの高殿にのぼるかな悲しむなかれ 我が友よ旅の衣を ととのえよ・・こんな歌詞です。

 確か、往年の大スター・小林明が若い頃、歌謡曲として歌っていた記憶があります。ある種の、励ましの歌のような気がします。別れを惜しむと共に、旅立つ友に、旅立ちの準備は大丈夫か、と心配をしている。

最近、人生のいろいろな場面に立ち会うことが多く、つい、そうした事に繋がる言葉が、頭に浮かんできます。